短編2
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ふしぎなおどり

数年前に同僚から聞いた話です。

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あなたってたまにパソコン見ながら

「許してください」

「許してください」

って呟きながら踊り出す事あるけど

アレ一体何なの?

ある日妻からそう変な事を訊かれた。

「そんな心当たりは無いぞ」

と言ったのだが

嘘おっしゃい

私は見たわよ。

一度、精神病院で診てもらったら?

と忠告されてしまった。

事実であれば夢遊病か何かだろうか?

色々と考えたが

パソコンを見ながら

踊った経験など一度も無い。

そういう動画を撮影したり動画投稿サイトに投下した覚えも無い。

踊り好きな友人も居ない。

俺は休日を潰しリビングのパソコンを使い

飼い猫であるムーちゃんの執拗な妨害にもめげずに

シラミ潰しにブラウザ履歴を調べ続けた。

その結果ある結論に行き着いた。

洒落怖だ。

夜中に動画投稿サイトの

洒落怖動画を見ながら

そのまま居眠りしてしまう事が

よくあるのだ。

ブラウザ履歴を辿っていき

時刻順に並び替えをして整理してみる。

すると、いつの日も特定の動画で終わっている事に気付いた。

その動画のタイトルは文字化けしている。

クリックコピーして色々変換し復元を試みる。

復元された文字はこう・・・

「yMろ!平ら苦な!猛一怒kの怒画を魅入ると4奴!」

確かそんな感じだった。

背筋が寒くなりどうしても視聴出来なかった。

ただ、コイツの一つ前の動画を確認してみたくなった。

こちらは普通の洒落怖だった。

タイトルは「くねくね」

誰でも知ってる定番の怪談だ。

クリックすると同時にスマホが鳴った。

上司からの電話だった。

動画の事も忘れ上司と数分間話し続けた。

電話を切り終わる。

それは丁度くねくねが終わるタイミングだった。

どうしよう・・・

すっかり忘れていた。

その時ムーちゃんがキーボードの前に座りパソコン画面をじっと見つめていたのだ。

例の動画が再生され始める。

ムーちゃんを回収しようとリビングに走りパソコンの電源コンセントを抜いた。

だが既に手遅れだった。

ムーちゃんは猛烈に踊り出していた。

「か、体が勝手に・・・助けてくれ!」

ムーちゃんの瞳は俺にそう訴えていた。

すまない・・・・ムーちゃん・・・・俺は取り返しのつかない事を・・・

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