霊感っていうのは、どうも知る限りでは、
A.先天的、というか生まれつきのもの
B.何かしらの事由を機に備わってしまうもの
っていう大別があるようだね。
母さんは助産師、姉ちゃんと弟は看護師。医療従事者の家系ね。あ、父さんはいない。
でさ、やっぱ命に直接関わる仕事だからなのか、いつの間にか「お迎え」が視えるようになったんだって。
そうなってくると、医療従事者として怖いと感じるのは、もっと物理的なほうに軍配があがるんだと。
特に異口同音に聞くのは、
「ピーーーーーーーーーーー」
っていう心停止の音が怖い、と。
今、目の前の命に、死が訪れる。連れていかれる。
「あれはどんだけ先にわかってても慣れないよ。」
って姉ちゃんは言ってたな。
…慣れなくていい感覚だとも思うけど、ね。
作者Potchey