俺には乳児の頃からの記憶がある。
当時の記憶を口にして家族をビビらせること度々。
俺には薬剤耐性がある。
亡き父さんの遺伝子を継いだらしい。
父さんは盲腸の手術のとき、麻酔がなかなか効かない上に、手術中に目覚めちゃう始末だった。
俺も手術するとしたら、そんなこと起こるのかな?
と、まあこれだけでもある意味怖い話なんだけど。
俺には霊感がある。
でも、霊能者ってわけではないから、視える、認知できるにとどまるもの。
それと、俺の霊感は後天的なもので、ある意味では呪いとも思える。
発端は小学生の頃に流行った「こっくりさん」。
事の詳細な経緯は、文字に起こすと長すぎたからカットしちゃった。
知りたい人を募りはしないけど、積もるようなら別で掲載しようと思う。一応、メモに保管しておく。
話を戻そうか。
俺には、視える、認知できる程度の霊感がある。
これが何とも困りもの。
だって、それ以上のことできないんだよ。
導くことも、祓うことも、なーんにもできない。
でも、視えちゃう。気づいちゃう。
どういうことかわかるかな。
みんなが毎日歩いてる、その道に、誰かが佇んでいるのを、俺は知っている。
みんなが、その誰かを何も知らずに貫通していくのを、俺は知っている。
そして、俺はそこにいるのを知っていながら、素知らぬ顔で貫通して歩かないといけないときもある。
だって、ピンポイントに避けたりなんかしたら、存在の認知を示すようなもんだからさ。
それで憑いて来られても、何ができるわけでもないから、知らないふりを貫かないといけない。
ほんと、ある意味呪いだよ。
ところでさ。
俺の姉ちゃん、子宝になかなか恵まれなくて。
知ってる限りで、2度授かった命が流れてるんだ。
でも、たまに姉ちゃんの腰あたりから管が4本、もやぁ〜っと繋がってなびいてるのが視えるんだよね。
…俺は、確かめるべきなんだろうか?
作者Potchey