短編1
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そこにはいない

最近、近くで死亡事故があったらしい。

俺がいつも通る道すがら、電車が通る高架下。

少し萎びはじめた献花の束とすれ違った。

まだ居残ってるんだろうか、遺る気配。

でもそれは、花の添えられたそこからではなかった。

…後ろ?いや。上―――――高架。

脚が視えた。骨格的に、たぶん男の子か。

それ以外はわからない。何も。

しかし困る。

ここしばらく視ることがなかったから、いよいよ俺の霊感も終わりかと思っていた。

油断して二度見、つまり存在の認知を示してしまった。

現在憑きまとわれている様子はない。

とは言え、さて、どうしたもんかな。

Concrete
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