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短編2
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乾かない髪

今日の朝、起きた後にシャワーを浴びた。

適当に髪と体を拭き服を着てからドライヤーを髪に当て始める。

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おれは短髪で5分もかからないうちに髪が乾く。

だが今日は違った。

10分ほどドライヤーを当てても一向に乾かない。しかも冷たいままなのだ。

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変だなぁと思いながら左右に首を振りながら正面にある鏡を見た。

右へ左へと首を張っていると乾かない理由が分かった。

それは右へ顔を向けたときだった。

髪の長い女が鏡に映っていた。

どうやらおれはその女の髪を触っていたらしい。

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思いっきり後ろを振り向いたが女の姿はない。

再び顔を正面に戻してドライヤーを当てたが冷たい感触は変わらない。

正面を見ている時は鏡にも女の姿はない。

左か右に顔を向けた時にだけ鏡に映る。

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おれはあることに気づいた。

徐々に女の顔の位置が自分の肩に向けて出てきている。

おれは完全に女の顔を見たら何か起こるのでは?と思い、顔を鏡に対して正面に向けたままドアまで歩いた。

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ドアに近づいたところで鏡を確認する。

女が出てきていないかを見るためだ。

「よし、いないようだな」心の中でそう呟き一気にドアを開いた。

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長い髪を左右に揺らしながら真っ赤で大きな口と真っ黒な目をした女が出現していた。

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おれは意味不明な声を発しながら大きく後ずさった。

落ちていたタオルで足を滑らせ洗濯機の角に頭を打って気絶した。

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掃除機の音で目が覚めた。うっすら目を開けて辺りを見ると父が忙しなく掃除機を走らせている。

そこには夥しい(おびただしい)ほどの髪の毛が床に散らばっていた、、、

Concrete
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