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中編4
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2ヶ月前ゾワッとした時の話をしようと思う。

僕の夢の話

夢を見た。

辺りは夕暮れ時の田んぼ道、不思議と音はしなかった。

ただ地を這うようにぬるい風が時折流れてくる。

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おもむろに周りを見渡そうと振り返ると目の前にはマンションがあった。何階建てかパッと見では分からなかった。多分5.6階くらい?だと思う。

そのマンションは外壁が半分レンガ、半分コンクリという奇妙なもので自分の真ん前を境に分かれているため何となく嫌な気分になった。

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ここは少し嫌なところだなと足を動かそうとするが動かない。

不思議に思い足元を見た。

自分の足だ。

特段変わった様子もない。首を傾げてどうしたものかと考えているとふと気づく。

足元にレールがある。

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レール?どうして?

そう思いレール沿いに視線を左にズラしてみる。

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すると少し離れたところに無人駅のようなものがある。

なるほど。自分は線路の上にいたんだな。

よく見てみると線路どころか自分の立っていたところは踏切だったみたいだ。

遮断機がある。幸いまだ電車は来ないようで閉じ込められたりはしない。

とりあえず駅の方に向かうか。そう思い歩き出す。

僕は珍しくこれが夢の中であることを自覚していた。

だっておかしいでしょ?目が覚めたら知らない土地の踏切の中なんてさ。

しかもその踏切の前にマンションなんか建ってるの。

"踏切の前"だよ?建造物として立地がバグってるにも程がある。

踏切の向こうには車が1台止まってる。

ほらね?踏切の前にマンションがあるせいであの車は通れない。

それにいくら駅近と言えど真ん前にあったら住人からの苦情もすごそうだ。ほら今だって女が出てきて耳抑えてるでしょ?やっぱりうるさいん…だ……よ?

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女?

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そこで気づく。さっきまで居なかった女が踏切の前にいる。踏切に向かって立ちながら耳を塞いでいる。

なんで耳塞いでるんだ?まだ電車も来てないから踏切音も何も無い。

すると独特の音とランプが点滅した。

電車が来るようだ。

自分の記憶よりも音が大きい気がする。

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shake

カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

奥の方から電車のライトが見える。もう時期着くだろう。なんだか妙な胸騒ぎがする。少し小走りで駅に向かおうと足を踏み出す。

shake

ギギキィィィヤァヤァヤヤヤヤギャギャ

聞いた事のない悲鳴が後方から聞こえる。

パッと振り向くと先程の女がこちらに走ってきていた。

走り方が気持ち悪い。クネクネしていてそれなのに足が速い。足と腕の速さがあってない。謎のギチギチという異音まで鳴っている。

僕は走り出していた。

天より授かったこのビビりさが回避行動を取らせていたのだ。

駅に着く。後ろからは奇声、踏切音、電車の音。

幸い速いと言っても歩くよりは速いというだけで電車が着く方が早いだろう。

プシュー

ほら、間に合った。

急いで飛び乗る。

目の前で閉まる扉。きっとホラー映画ならこの扉は閉まらないんだろう。

だが所詮は夢、なんてことは無い。

ほっと胸を撫で下ろし、先程の女の動向を見る

窓に近づきホームを見るがそこには誰も

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shake

バンッ!!!!!!!!!!!

👁 👄 👁

wallpaper:5980

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窓にベッタリと張り付く女。

汗だくになり額に張り付いた髪。

両の目をガン開きにし口を大きく開け窓を突き破ろうと何度も顔を押し付けている。

押し付けられる度に歪に伸びる顔。

電車はまだ出ない。

早く出てくれ!!!そう願いながら僕はその場から動けずにいた。

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電車がガタンと揺れた気がする。

あ、動き出した。

僕は震える身体を抱きながらただ呆然と女を見る。

女は電車が動き出した途端に窓から離れていく。

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すると目の前がぐわんぐわんと揺れる。目眩で倒れてしまう時の感覚だ。

暗転する視界の中、遠のいていく音の中に

バンッ

と聞こえた気がした。

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という夢。

実はこの話確かに怖い思いをしたのですが僕にとってはたまにあるかもってくらいの話。

ではゾワっとした話とは?

それは夢を見た2日後起きた。

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2日後、僕はとあるYouTubeライブを見ていた。

時刻は23:30。肝試し企画と称して怖い話を語りながら視聴者とラリーをする、そんな配信。

チャンネル主の男性が何話か怖い話をする。

ネットで拾った話がメインらしいのだが、ふと、夢と言えば……と切り出した。

そう。僕が見ていた夢、その夢を彼も見ていたのだ。

コメント欄には5.6人ほどいて思い思いにコメントしている。怖いだの、情景が浮かぶ!など。

僕は意を決して書き込むことにした。

僕もその夢2日前に見たんです

チャンネル主は驚いていた。本当に!?凄い偶然!こんなことあるんだね!!!とテンションが上がっている。

チャンネル主はこう続ける。

shake

でも危なかったよね!最後さ!!!

窓から入れないってわかった女がドアにズレていって扉を開けだした時は死ぬかと思ったよ!

shake

顔ひとつ分隙間が空いてさ!

グググググッ

って。

それに顔がね!あの深海魚みたいに腫れぼったく潰れた顔は気味が悪くてトラウマ級だよね笑

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