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短編1
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探し物(道端怪談)

休日の昼下がりに飼っている犬の散歩をしに土手を歩いてた頃、川の方からザブザブと音が聞こえる。

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そちらを見ると一人の少年が川の中に入って何かを探していた。私は「何探しているんだい?」と尋ねると「キーホルダー」と答えた。

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どうも同級生の嫌がらせでお気に入りのキーホルダーを川に投げ込まれたらしい。私は「なら手伝うよ」と言って靴を脱ぎ川に入る。アシの中や岩の隙間など隈なく探していると、魚のコインを象ったキーホルダーが出てきた。

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私は少年に「キーホルダーあったよ、これかな?」と言い渡すと「うん、これ。ありがと」と言ってニコッと笑う。私は川から上がると「君も早く上がらないと、風邪引くよ」と言いながら振り向くとそこには少年は居なかった。

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当たりを見回しても見つからず狐に馬鹿された気分で犬を釣れて帰宅した。翌日の新聞に行方不明の小学生見つかるという記事を目にした。そこに書かれていたのは2週間前に土手の川で探し物をしていた小学生が足をすべらせて深みに落ちてそのまま行方知れずになったと書かれていた。

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驚いて固まっていると玄関の方からピチョンピチョンと水滴の滴る音が聞こえて思わずビクッとなった。恐る恐る玄関に向かうとそこには誰もおらず、水溜りが出来ていてその水溜りが"ありがとう"という文字に見えた。そして、あの魚のコインを象ったキーホルダーが置かれていた。今でもそれを見るも思い出す話

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