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中編3
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呪物?後日談

前回の投稿の後日談です。

前回の投稿から読んでいただけると幸いです。

先日、会社の近くの飯屋で部署の先輩とご飯を食べてると後ろの席で隣の部署の2人組が、彼について話していました。なんとなく気になり聞き耳を立てていると内容的には、最近とても羽振りが良く車を買い替えたり、小さな頼まれ事をした際にも高速代を出してくれたりしたとのこと。

私は、彼に関わる気もなかったんですがその話を聞き例の写真立ての悩みも解決できたのかな?と思ってました。

私は仕事の合間に隣の課の彼が気になり、様子を伺うことにしました。彼のデスクに向かうと、彼は顔色が悪く、目の下にはクマができていました。ぎょろりと見られて目が合ってしまったので恐る恐る「先日のお話、どうなりましたか?」と尋ねると、彼は一瞬怯えた表情を浮かべその後、彼の身に起きた事を話してくれました。

「実は、あの後、もう一度、妹夫婦の家を訪ねたんです。ドアは開いていて、中に入ると家具や日用品はそのまま。でも、人の気配が全くありませんでした。奥の部屋に入ると、前は置いてなかった、あの写真立てが無造作に置かれていたんです。」

「妹夫婦はどこに?」私は尋ねました。

「分からないんです。ただ、写真立てを手に取ると、ひどい頭痛と吐き気が襲ってきました。すると、その時、部屋の隅からかすかな声が聞こえてきたんです。『返して…』と。」

「返して?それは誰の声だったんですか?」

「分かりません。ただ、声がどんどん大きくなってきて、最後には叫び声に変わりました。『返して!』と。その瞬間、私は気を失いました。気がつくと、部屋の中は真っ暗で、妹夫婦の姿はどこにもありませんでした。手には、写真立てが握りしめていたので、そのまま持ち帰ることにしたんです。」

その後、彼は家に戻り、その夜から奇妙な現象が起こり始めだそうです。夜中に誰もいないはずの部屋で足音が聞こえるようになったり、毎晩同じ夢を見だそうです。夢の中で、彼は暗い森の中を歩き、写真立てを抱えている妹夫婦の姿を追いかけ、しかし、追いつくことはできず、彼らの姿は次第に霧の中に消えてくそうです。

彼はついに耐えきれなくなり、写真立てを捨てようと決意し夜中、彼は近くの川に向かい、写真立てを投げ捨てようとするんですが、なんとなくそれができず、写真立ては再び彼のリビングに置かれるというのを繰り返したそうです。

この時にはすでに、写真立ては恐怖に変わっていたそうです。

恐怖に震えながら、彼は再度川に向かいました。しかし、今回も投げ捨てることができず、写真立てを持ったまま川の中に入って行ってしまったとのこと。ヤバいと思った彼は覚悟を決め、水中に写真立てを押し込もうとしましたが、突然水面に引きずり込まれ、溺れてしまったとのこと。その瞬間、再びあの声が聞こえたそうです。「返して…」

気がつくと、彼は川岸に横たわっており、写真立ては彼の手元に戻っており、彼はその時、妹夫婦の姿が川の中から彼を見つめているのを見たそうです。彼らの目は無表情で、ただひたすらに写真立てを返せと訴えていたそうです。

翌日、彼は会社に休暇を取り、写真立てを地元の古い神社を訪ね電話で相談した神主さんに写真立てをお祓いしてもらった後、神社の奥深くにある封印の部屋に納めたそうです。

それから数日が経ち、彼の周りで奇妙な現象は止まりましたが、彼の心には深い恐怖がまだ取り除けないそうです。妹夫婦も依然として行方不明のままで、彼は今もその責任感に苛まれていると語っていました。

この話を聞いた私は、思わず背筋が凍りました。

触ってはいけないものに触れた気がして、妹さんたち無事に戻ってくればいいですね。と、だけ伝え逃げるようにその場から離れました。

Concrete
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