応援して下さっています皆様、本当に有難うございます。
それではさっそく続きを書かせて頂こうと思います。
尚、前回の続きから書かせて頂きますので、新たにお読み頂ける方は御手数ですが過去の掲載をお探し下さい。
それでは始めさせて頂きます。
「そろそろ時間やねぇ。」
老婆の言葉に反応した私達三人が時計を見ると、老婆の家にお邪魔してから、早くも二時間の時が経とうとしていました。
I「うわぁ〜!めっちゃ時間経つの早いなぁ〜!」
そう言葉を漏らしキャッキャッと戯れる私達三人を後目に老婆はスタスタと玄関の方に歩いて行きます。
置いてきぼりにされる訳にも行かないので、私達三人も急ぎます。
外に出てみると、私達が着いた時より薄暗く、辺りは夕暮れ独特の雰囲気を放っておりました。
「今から広場に行くから。ちゃんとついてきぃや。」
老婆はそう言うと、自分のペースでスタスタと歩き始めます。
S「ん〜………」
歩いている途中にふとSの様子がおかしい事に気がつきました。
私「どうしたん?」
私がそう声を掛けると、Sは何も言わずにスッと私の横にぴたりとくっつき、隣にいるIにも老婆にも聞こえない様なか細い声で話しかけてきました。
S「さっきからずう〜っと気になってんねんけど、(アレ)って何やろ?」
そのSの言葉を聞いて回りを見渡してみると、確かにSの言う(アレ)が所々にあります。
祠と言うには無機質で、祠と言うには陳腐な作り、祠と言うには神聖な感じがしない、しかし佇まいを見るとどうも祠にしか見えない、そんな不思議なモノでした。
Sが「お婆ちゃんに聞いてみようや!」
Sがそう言って老婆に近付こうとした時でした。
「ご苦労様。着いたよ。」
老婆が私達の方をくるりと振り返り、そう告げました。
私達「…………………。」
言葉を失いました。
それもそのはずです。
老婆に連れられ行き着いた場所は、広場とは名ばかりの少しだけ開けた場所だったのです。
S「えっ?何がですか?」
放心状態のIと私を掻き分けSが老婆に問い掛けます。
S「これお祭りちゃいますよね?ウチ達の事からかってるんですか?」
一つの言葉すらも口から出てこないIと私の状態とは裏腹にSは状況をいち早く理解し、すでに憤りの意を表していました。
S「ウチ達だって暇じゃないんです!お婆ちゃんがせっかく声かけてくれたし、違う地区のお祭りにも興味があったからここまでついてきましたけど、こんな事になるんやったら始めに丁重にお断り入れといたら良かったわ!」
Sは普段Iの様にベラベラ喋るタイプでは無いので、正直な所、普段見る事の無いSの姿を見て驚きました。
I「S!ちょい言い過ぎちがう?!謝りなさいよ!」
Sのそんな姿を見て我に戻ったのか、Sの老婆に対する罵倒を制するかの様にIが口を挟みます。
私も「確かに言い過ぎやと思う…。」とSに対し謝罪をする様に促しました。
S「ん〜…。分かった分かった!二人して怒らんといて!ちゃんと謝るから。」
そう言うとSは老婆の方を向き、「ごめんなさい。」と言いながら頭を深めに下げた。
そしてそのままの返す刀でこう老婆に質問を投げかけた。
S「でもお婆ちゃん。一個だけ聞きたいんやけど、私個人……まぁそこの二人も同じ事思ってると思うけど、今この状況、雰囲気、どれを取ってもお祭りじゃないと思うねん。普通のお祭りと違うの?もしそうやったら教えてくれへん?」
そう言ったSに対し老婆が口を開こうとした時でした。
「続きはオバチャンから話すわ。」
いつから近くにいたのか、おじさん二人とおばさんが話しに割って入ってきました。
すいません。一度切ります。
怖い話投稿:ホラーテラー 普通のたかしさん
作者怖話
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