中編4
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小さい踏切で

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引っ越して来たばかりで道を

知らなかったから、

いつも大通りをバイクで通っていた

通勤時間帯

車の量も多いけれどトラックの数も

凄まじい

ロッカールームで着替えながら愚痴る

トラックが怖いし渋滞もひどくてさー

同僚から「裏道、知らないの?」と言われ教えてもらった

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次の日から、ずっと時間は短縮されて

快適になった

大通りを左折すると、いきなり急な

カーブになる

それからは線路沿いに狭い道が続く

車もすれ違えない道だったからか車は

通らず、目の前は畑一面

慣れてくると、かなりのスピードで走り抜けていた

途中で1メートルもない踏切を渡る

唯一、一旦、停止する場所

それでも踏切はタイミング良くいつも開いていた

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あの日まで、遮断機の音など聞いたことも

ないし立ち止まることもなかったんだ

あの日まで……

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小雨が降っていた、初夏にしては肌寒い

初めて踏切で引っかかる

電車はなかなか通らない

あーっ!もう!ついてない

悪たれた

……………………………

あれ?

………………

バランスが悪い事に気がつく

バイクにまたがってフラフラしてたから

気がつくのが遅れた

右に傾く……それは服の右側を

引っ張られてるから…だった

えっ?…………

踏切が開いたのでアクセルを

思いっきり回し駆け抜ける

それが全ての始まりだった

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それから、気にはなっていたが別に

意識して時間調節したりは

しなかったが、偶然か…

踏切の遮断機はいつも降りていて

警報機がなっている

異変はそれだけじゃなかった

線路の前で止まってる私の手首を

誰かが……掴んでる

靴を触ったりしている感覚

でも、姿は見えなかった

今までも道路を歩いていた時に服を

引っ張られて、その方向を見ると

花が供えられていたりしているような

事は、たまにあったりしていたので

それほど怖いと思わなかった

その道を使いたかったし……

反応しないでジッとしていればいい

反応してはいけない

反応したら…………………

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ある日、ちょっと興味がわいて

同僚に聞いてみた

「あそこの踏切で何かあった?」

「あんな小さい踏切で何もないしょ」

同僚は即答した

8年めの同僚が知らないくらいだから…

何もないんだろう

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3ヶ月が過ぎた頃

仕事の帰り道に踏切の前でいつもの

ように電車が通るのを待っていた

体の方に全神経が集中する…

もう癖になっていた

誰かが触る感覚

顔は真っ直ぐ反対側を向いている

でも、きっと目は何者か探るように

動いていたんだろう

ふと、向こう側に色の付いた物に

目がとまる

それは花束だった

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電車が通って踏切のバーが上がる

反対側に行き、花束をマジマジ見た

隣にお線香の焚いた後もある

御供えの花だよな

思わず……

つぶやいてしまったんだ

「やっぱ、何かあったんじゃんか!」

その瞬間、ゾクっと鳥肌がたつほどの

冷たい感じがした

周りの音も消えたように静まり返る

まるで時間が止まって動いているのは

私だけのよう

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え?えっ?

あまりの静けさに鼓動が早まる

…………………………

………………………………

……………………………………

「フフフッ……ワカッテタノカヨー!!!」

いきなり怒鳴り声がしたので驚き

バイクごと倒れそうだった

なに………………!!!

声がした方に目が行く

花束の周辺に目をこらしよく見る

線路の石と石の間に目があった

え?!

……………………

限界までバイクを倒し近づき見る

まるで石の下に人間が埋まっているかの

ようにそれはいた

白内障のように混濁した眼球

鼻は半分なく窪んでる

少し見える口は干からびて

黒く変色した血?汚れがついていた

わぁーーーーーーーーーーーーっ!!

叫んだ

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バイクで一本道をスピードを上げて

走り出す

大通りに出ると普通に車が走っている

いつもの光景だった

ヤバイ…………

目眩がしたので道のはじに停めて

深呼吸をする

何回も何回も

近くのホームセンターに寄り

ペットボトルの水を買いベンチを見つけると

倒れるように座り込んだ

水をゴクゴク飲んだ

頭から怒鳴り声が離れない

「ワカッテタノカ」

知られた………………

触られてるのを解っていたことを……

しかも初めて姿も見た

その日の夜、なかなか寝付けず

もうろうとしていると白昼夢

のような感じの映像を見た

誰かのお葬式の場面だった

やたら、何て言う物?看板のような

故人の名前が書いてある

⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎様 葬式会場みたいなのが

強調される

嗚呼、自分の名前を教えたいんだな

ダメだよ

何もしてあげられない、出来ないから

何度も心の中でつぶやいた

夢を見たのは1度だけだった

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次の日から裏道は通れなくなった

その手の物には、あんまり怖さを感じない私も

今回はヤバイと感じたから

あの道は魅力的だったから残念だった

この話しは4年前に本当にあった話です

地縛霊などは、その場所に縛られたり

するといいます

その、たぐいでしょうか

私に何か伝えたい事があったようですが…

勘弁ですよね

次に気付く人を今でも探しているでしょうか……

あの石の下から

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mamiさん、ねこさんありがとうございました!

私も踏切渡って通勤するから
怖くなったー!