◆短編◆ 赤子井戸 ※少し嫌な描写

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◆短編◆ 赤子井戸 ※少し嫌な描写

戦争中、ある村にある国の兵隊が攻めてきました。

兵隊はほとんど反抗できる力の無い村人達を、次々と追いかけてころしていきました。

村人達は頭をさげ、なんとかこれ以上はやめてくれとお願いをします。

兵隊達は意味の分からない言葉で相談をしていましたが、そのあとは暴れなくなりました。

村人達はほっとしましたが、今度は兵隊がカタコトの言葉で村の赤ん坊を全員集めて差し出すように命令します。

村人達はとてもつらかったのですが、また暴れられると困るので言う通り赤ん坊を差し出しました。

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すると兵隊達はいきなりその赤ん坊達を一人、また一人と村にあったとても深い井戸に投げ捨てていきます。

赤ん坊の泣き声が村に響いていました。

村人達も泣きわめき、兵隊に向かっていきころされる人もいたそうです。

やがて、すべての赤ん坊が井戸の中に消えました。

しかし、弱々しいながらも赤ん坊の泣き声はまだ聞こえます。

きっと先に落ちた赤ん坊がクッションになり、落ちても生き残れた子もいたのでしょう。

もう兵隊に立ち向かう気力のある村人はいませんでした。

兵隊はそのあと数日その村に居座り、村人を怯えさせ、これからも逆らわない事を約束させて帰っていきました。

しかし、後から聞くことに兵隊達も実は怯えていたそうなのです。

なぜなら、もうあれから三日も経っても井戸の中から泣き声が聞こえていたらしいからです。

ただ兵隊が村から去る日だけは、泣き声ではなく赤ん坊の嗤い声が聞こえたんだそう。

そしてその帰り道、兵隊達は土砂崩れにより数人を残して死んでいった。

とても晴れた暑い日だったそうである。

また、残された兵士のうちの何人かは気が触れたらしい。きっと戦争ノイローゼなどというやつだったのだろう。

その狂った兵士達は皆、その後自ら命を絶ったという。

月日が経ち、今でもその井戸は残っている。

辺りに草が生い茂る中、井戸周りだけは不自然に何もない。

井戸から漂う凄まじい異臭のせいなのかもしれなかった。

そしてほとんど毎夜、何かの泣き声が聞こえるらしいがきっと虫か蛙の筈である。

街でないのだから夜の音など気にする必要は無い。

しかし、嗤い声が聞こえた晩には決して井戸を見に行ってはならない。

中から這い出てくるらしいのだ。

ぐちゃぐちゃに一つになった、何人もの赤子の塊らしきモノが這い出てくるらしいのだ。

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