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短編2
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夢で。

夢を、見た。

私は自分が通っている中学校の教室に、1人ポツンと立っている。クラスメートは誰もいない。

カラリと教室の扉が開いて、担任の峰先生が入ってきた。彼は薄く笑いながら、無言で私に近付いてきた。

「先生?」

「じっとしてて」

言うが早いか。彼は私の顎を掴むと、左の頬にブスリと竹串のような物を刺した。不思議と血は出ないのだが、脳天に突き抜けてしまいそうな激しい痛みに、顔が歪む。

「せ、せんせ…ッ、い、いた…い」

涙ながらに訴えたが、彼は酷く愉しそうだ。続いて胸ポケットから2本目の竹串を取り出すと、「今度は右だ」と言いながら、ブスリと右の頬に突き刺した。

「ぐっ…!や、止め…ッ」

「次は顎だ」

峰先生は3本目の竹串を取り出すと、何の躊躇いもなく私の顎に突き刺した。

「ギャッ!痛い!痛い痛い!痛いよ!止めて、先生止めてよ!!」

顎の骨に竹串がグリグリと当たり、卒倒しそうに痛い。だけど峰先生は、「流石に顎は固いな…」なんて呑気なことを呟いているきりだ。

「やっ…、もう止めてーッ!!!!!!」

そこで跳ね起きた。自分の悲鳴に吃驚して起きてしまったらしい。

荒い呼吸を繰り返し、額の汗を拭う。全身の毛穴から冷たい汗がほとばしった。何て後味の悪い夢だろう。でも夢で良かった…。

翌日。いつものように登校した私が、下駄箱で上履きに履き替えていると、峰先生が通りかかった。

「おはようございます」と挨拶をすると、先生はピタリと足を止め、まじまじと私の顔を覗き込んだ。

そして一言、

「痛かった?」

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