ある所に、とても美しい女がいた。
彼女は手足も長く肌も白くて、スタイルも抜群だった。
ある日彼女は、好意を持っていた同僚と、お酒の勢いで体の関係を持った。
「君の肌は綺麗だね。首も長くて、凄く綺麗だよ」
彼はそう言って、彼女の首に口づけをした。
彼と結ばれた事を喜んだ彼女は、毎日毎日連絡をした。
しかし、初めこそ連絡をとっていたものの、特に好意も無く、お酒の勢いでの一夜限りの関係だと考えていた彼は、そんな彼女を疎ましく思った。
その後、彼からの連絡は減り返事も来なくなってしまった。
彼女は“自分の美しさが足りない”からだと思い、嘆いた。そして、もっと美しくなりたいと思った。
あの夜に、彼に言われた言葉を思い出す。
『首も長くて、凄く綺麗だよ』
彼女は、彼に口づけされた首にそっと触れた。
次の日から、彼女は仕事場に来なくなった。
*
一ヶ月後...。
彼の携帯が鳴った。
液晶画面には、彼女の名前が表示されている。
驚いた彼は電話に出て、今まで何をしていたのか、当然仕事はクビになっている、などとまくし立てた。
すると彼女は、
“私は貴方に愛される為、美しくなった”
“部屋で待っているから来て欲しい”
とだけ言い、電話は切れた。
不審に思いながら、彼は彼女の部屋へ向かった。
部屋に着きインターホンを鳴らす...が、返事がない。
試しにドアノブを捻ると、何の抵抗もなくドアは開いた。
中に入ると、酷い悪臭がした。彼女の名を呼ぶが、返事がない。
悪臭は寝室の方からしている様だ。
彼は恐る恐る寝室のドアを開け、中を見た途端、ひっ!と息をのんだ。
部屋の真ん中には、彼女が座っていた。
だがその頭は天井からぶら下がるロープに引っかかった状態だった。
天井付近にある頭と、床に座る体の間には、異常に長い首があった。
彼が動けないでいると、ロープに引っかかった頭がゆっくりとこちらを見た。そして、にっこり微笑み、
「ドウ?私、綺麗ニナッタデショ?」
作者退会会員
似た様なお話があるかもしれませんが、オリジナルです。
文章力底辺です。
読みにくかったかもしれませんが、読んでくださってありがとうございます。