1とある女子生徒が自殺した。
飛び降りだった。
頭蓋骨は形を完全に失い、おびただしい量の血が路上を 赤く染めていた。
自殺した生徒の名前は明星灯火といい俺と同じ修東高校
の二年生で生活指導委員会の委員長だ。
鼻は高く彼女を強く印象付けた。
そんな彼女の死体を最初に発見したのは最悪なことにこ の俺だった。
俺は第一発見者ということで、発見の経緯を警察で詳しく話すことになった。
数時間警察に拘束されたのち解放された。
彼女の死は学校に衝撃を与えた。
彼女は、面倒見がいいため下級生の中には、ショックのあまり寝込む生徒までいる始末だった。
警察は当初自殺と事件の両面で捜査していたが、
最終的には自殺で処理をした。
2私は人形のように生きてきた。
私の名前は苦楽幸子。
父は腕の良い職人で人当たりもよく、会社をおこしたが経営力がなかった為か5年で倒産した。
そこから父は変わった。
仕事はするが怠けるようになり、酒とギャンブルに金をつぎ込むようになった。
家では母と私に暴力をふるうようになった。
母は精神に異常をきたし違法薬物にてをだしつかまった。
前科のあったため実刑判決が決まり母が家から消えた。
3明星灯火の死から一ヶ月したある日事件はおきた。
その日は大会が近いこともあり、遅くまで練習していた。
21時を過ぎていたので慌てて帰ろうとしていたそうだ。
すると校門の前に背の高いうちの制服をきた人間がたっていたそうだ。
近づくと生徒がどうやら女性であることに気がついた。
数メートルまで近づいてその生徒は血の気が引いたそうだ。
その人物は明星灯火だった。
最初目の錯覚かと思いその人物を凝視したらしい。
しかし見れば見るほど記憶に焼きついた彼女そのままだったとのこと。
その生徒は気が動転してしまい早足で校門を抜けようとした。
明星灯火は笑っていたらしい。
月明かりのせいでひどく不気味だったとのこと。
その生徒は一目散に逃げたらしい。
家に帰る頃には落ち着きを取り戻してあったことを思い出そうとしてあることに気づいたらしい。
明星灯火には影がなかったと。
4私は中学生になった。
小6の時父と母の離婚が成立し私は父にひきとられた。
父からの暴力は日常化しており私は心を殺し必死にたえた。
中学に入ってすぐ私はいじめの対象になった。
数人の女子が集まり殴る蹴るの暴力を私にふるうようなった。
私は人形となった。
心を殺す。殺す。殺す。殺す。
徹底的に心を殺すことにより痛みを感じなくなるすべを学習した。
そんな生活が中2の夏まで続きある変化がおきた。
いつものように暴力を受けている時止めにはいる人物があらわれた。
それが明星灯火先輩だった。
「あなたたち恥を知りなさい。あなたたちのやっていることがどれだけなさけないことか」
いじめていた少女たちは厄介なのがきたと逃げていった。
「立てる?あなたは強い子ね。きっと素晴らしい大人になるわ」
私はこの時のことを一生忘れないだろう。
優しく微笑む灯火先輩の姿を。
5それからというもの明星灯火らしき人物を見たという目撃情報があいついだ。
最初のうちは良かった。
確かに気味は悪いが明星灯火は死後も愛され続けた。
幽霊とはいえ会いたいと思う人間はたくさんいた。
だがあることをきにじたいは一変する。
それは俺のクラスでおきた。
体育の時間の出来事だ。
その日は、見学の男子生徒が一人おり、彼は木の陰でこ ちらがサッカーをしている様子を眺めていた。
彼は時折笑顔で手をふったりしていた。
そんな彼を体育担当の山下(ニックネームゴリラ山下)は 無駄に厚い胸板の前で腕をくみ時折彼を睨んでいた。
授業も後半に差し掛かった時のことだ。
俺の首に激痛が走った。
首にはとある事件の際おった痣があり時々首を絞められ るような激痛が走ることがあるのだ。
その痣は通称神様のイタズラと呼ばれている。
異界に関わったものが受ける呪いのようなものだ。
俺は倒れこみそうになるのを必死に耐え凌ぎ平静を装っ た。
そんな中新たなる異変がおきた。
例の彼が苦しみだしたのだ。
彼は胸をおさえ口をパクパクさせている。
そして、奇妙なことに体育館の方角を見つめた。
彼の顔から表情が消えみるみる青ざめていった。
まるで血でも抜かれているのではないかと危惧してしま う程だ。
視点が宙をさまよい正気を欠いていた。
必死になにかから目をそらそうとしているようにみえ た。
その後、彼は救急車で病院に搬送された。
彼は助かった。
いや、この言い方は正確ではない。
彼は確かに死んだ。
ただし、肉体ではなく心のほうだ。
彼は病院に入院することになっ た。
6
原因は全くもって不明。
そんな彼は俺が事情を聞いた際こういった。
灯火が俺を殺しに来る。
ひたすらこれを繰り返していた。
その後、類似事件がいくつも発生した。
その全てに共通するのは、謎の発作がおきるまえに明星 灯火らしき人物を目撃したと本人達が証言していること だ。
そして、現在に至る。
時刻は18時を回った所だ。
場所は生徒会室。
今この部屋にいるのは、俺と我が物顔で座っている修東 高校生徒会を束ねる生徒会長暗条光の二人だけだ。
暗条光。
3年生で成績は学年1位の秀才だ。
性格は冷静沈着で何事にも妥協を許さない。
容姿は、手入れのよくいきとどいた黒髪、ほっそりした 輪郭。
冷たい印象とは、正反対の可愛らしい二重瞼、唇は薄く 控えめな印象を与える。
こういってはなんだがこれほど性格と容姿のバランスが 悪い人間はそうはいないだろう。
仮にも命の恩人に対して流石にこの言い方は良くない。
さて、何故二人だけでいるかと言うと例の事件の対策を 講じるためだ。
俺は別に生徒会の人間ではない。
手伝う義理はないんだが先輩には恩もあるし、今回の件 は他人に関心が薄い俺とはいえ黙ってはいられない。
「この一週間ですでに被害にあった生徒は七名に達して いるわ」
状況を整理する。
被害者は現在まで一年生が四人、二年生が二人、三年生 が一人の計七名だ。
被害にあった時間帯は14~18時とまちまち被害にあった 生徒同士のつながりは特にないようだ。
部活動も全員違うのだ。
共通点は被害場所が全員学校であることと例の証言のみ だ。
「要らない情報は捨てましょう」
そこで、いつものように一呼吸置いた。
「この被害者よ」
先輩は三年生の生徒の名前を指差した。
五条楓だ。
札付きの不良生徒でよく生活指導の山下に指導を、受けていた。
状況を整理する。
被害者は現在まで一年生が四人、二年生が二人、三年生 が一人の計七名だ。
被害にあった時間帯は14~18時とまちまち被害にあった 生徒同士のつながりは特にないようだ。
部活動も全員違うのだ。
共通点は被害場所が全員学校であることと例の証言のみ だ。
「要らない情報は捨てましょう。いるのは共通点の二つ と」
そこで、いつものように一呼吸置いた。
「この被害者よ」
先輩は三年生の生徒の名前を指差した。
五条楓だ。
札付きの不良生徒で、よく生活指導の山下に指導を受けていた。
「ちょっと待ってください。彼女が今回の件の犯人とか いうわけじゃないですよね?」
最初の共通点ならわかる。
だが、何故彼女何だ。
すると、先輩はあきれ眼でこちらを見つめこういった。
「あのね。これならわかるでしょう」
先輩は俺が書いたものをなんの断りもなしに書き換えは じめた。
先輩が書き換えた内容はこうだ。
五条楓とその他の被害者の違い。
部活動を行っていない。
学年が違う。
特別指導を受けている。
他の被害者は精神に異常をきたしているのに対して彼女 ひとりだけ身体に怪我をおった。
彼女は17時頃何者かに襲われ怪我をおった。
背後から左の脇腹を刺され重症だそうだ。
明らかに他の被害者とは違う( 例の彼をイメージしてほ しい)のだ。
だが、彼女もまた明星灯火の幽霊を目撃したというの だ。
彼女は馬鹿の癖にプライドが高く他者に襲われたという だけで彼女にとって屈辱的なことなのだ。
そのうえそんなオカルトじみたことを言って狂人扱いさ れたくはないはずだ。
嘘をつくとは考えづらい。
「あと、校内での犯行だから内部犯の可能性が濃厚。 学校側としては最悪な事件よ」
確かにそうだ。
いじめ問題などでも学校側の隠蔽体質をはじめとした教 育機関の劣化が言われる時代だ。
札付きの不良生徒が学校の関係者によって障害を負わさ れたなんてマスコミの格好の餌食だ。
学校としては穏便にことを終息させたいはずだ。
学校側は全くあてにはならない。
「さて、いくわよ。ついてきて」
俺の思考を邪魔するかの如く唐突に席を立ち上がり部屋 から出ていった。
その後、バスに乗り外の景色を眺め ること一時間、ようやく目的地についた。
二階建ての今時珍しい木造建築の家だった。
先輩はチャイムも鳴らさないでズカズカと中へ入って いった。
色々ツッコミたいが気にしたら負けなので俺も先輩の後 に続いた。
入ってすぐに畳特有の匂いが鼻腔を擽る。
純和風といった趣のある綺麗な家だ。
「光先輩お待ちしておりました」
奥の方から鈴のように優しく、儚げな声が聞こえてき た。
しばらくすると茶菓子を携えた見覚えのない少女があら われた。
見た感じ中学生くらいの愛らしい容姿だ。
髪は黒髪だが、先輩程艶はなく先輩よりかなり短めだ。
二重瞼をぱちくりさせていて自身のかわいらしさをア ピールしているようだった。
背は小さく140の後半くらいだろう。
「こんばんは、幸子ちゃん。突然ごめんなさいね」
先輩が少女に向けて軽く会釈したので俺も見習った。
「いえ、光先輩の頼みなので問題ないですよ。えっと、 そちらの殿方は?」
若干涙目なのは気のせいだろうか?俺ってそんなに人相 悪くないと思っていたが、違うのかも知れない。
「この人相の悪いのは只の助手よ」
あの、やっぱりあなた心読むことできますよね?気味悪 いんだがどうすればいいんでしょうかね。
「助手の方でしたか、これは失礼いたしました。私修東 高校一年の苦楽幸子と申します」
俺も同じように挨拶する。
「彼女は亡くなった灯火と親友だったのよ」
いくら後輩に好かれていたといっても下級生が親友とは 少し驚きだ。
彼女は遠くをみつめ静かに語りだした。
灯火とは中学生からの仲だと言うこと、きっかけは彼女 がいじめられていた時灯火が助けてくれたこと。細か い所まで語った。
語る彼女の顔は幸せにみちあふれていた。
だが、そんな彼女も場面をおもいだしたのか時折涙ぐ む。
しかし、徐々に彼女の話はおかしなほうに向き始める。
「毛糸のマフラー編んで灯火先輩にプレゼントしたこと があるんです。赤いマフラーだったんですけどね。灯火 先輩にお似合いで凄く綺麗だったんですよ」
「灯火先輩にご一緒して桜を見に行ったことがあるんで すけどね。散る桜がまた灯火先輩の幻想的な雰囲気を引 き立ててくれるんですよ」
彼女はまるで熱病におかされているように語り続けた。
笑顔が機械仕掛けの人形みたいにぎこちなく見ていて言 い方が悪いが作り物感がする。
吐き気がする。
とてもじゃないがこれ以上聞いていたら頭が割れそう だ。
「もう少し、あなたの話聞いていたいけど私達用事があ るから失礼するわ」
申し訳なさそうに頭をさげ外へ出ていった。
その後に俺も続いた。
出る瞬間もう少しゆっくりしていけばいいのにとため息 混じりに聞こえてきた。
その後、帰りのバスで先輩は無言だった。
学校で別れ帰路についた。
次の日、事態は更に深刻化した。
佐藤幸恵という生徒が背中を刺された。
彼女は五条楓と同じく札付きの不良生徒だった。
幸いなことに軽症ですんだ。
今回も病院に搬送される間中うわごとを呟き続けたそう だ。
佐藤幸恵は三時間目の授業をさぼり屋上でタバコを吸っ ていた。
するといきなり明星灯火らしき人物があらわれた。
無表情で後ろを指差したらしい。
幸恵があわてて振り返ろうとした瞬間背中を刺されたそ うだ。
「全てつながったわ」
生徒会室にいる先輩に情報を伝えると開口一番こういっ た。
「明日が最後よ。準備するからついてきなさい」
その後、俺は事件の真相を知ることになった。
そして、次の日がきた。
時刻は夜23時を過ぎ辺りは異様な静けさに包まれてい た。
場所は幸恵が襲われた屋上だ。
そして、この場にもう一人いる。
岸田奈津美という生徒だ。
彼女は五条楓や佐藤幸恵と同じく札付きの不良でこの三 人ははたからみていて気持ち悪いくらい仲がいい。
彼女にはここにある人物を呼んでもらった。
ドアの向こうからコト、コトと靴音が聞こえてきた。
靴音と共に俺の心臓が僅かにはねあがる。
ドアの前で靴音が止まる。
ゆっくりドアが開かれる。
入ってきたのは苦楽幸子だった。
その手には刃渡り10センチ以上の刃物が握られていた。
この事件の犯人だ。
「全てお気づきになったのですね。光先輩はどこです か?いるんでしょう?」
俺は首をふった。
「だったら早く奈津美先輩をこちらに渡してください」
彼女は全く動揺していないようだった。
「はっきり言わせてもらう。俺にとってこの人が死のう が生きようが知ったことじゃない。だがな」
俺は彼女を強く睨みながらいった。
「あんたは生きないと駄目だろうが」
俺は今無性に腹が立っている。
この馬鹿に対してもあいつに対してもここにいる奈津美 先輩そして、なにもできない自分自身に対してもだ。
事情はさっき奈津美先輩から聞いた。
大体先輩の推測したとおりだった。
真相はこうだ。
苦楽幸子は例の三名から恐喝や暴行などを受けていた。
彼女はこのことを灯火に相談しなかった。
灯火に迷惑かけたくなかったのだろう。
馬鹿な先輩達は彼女が全く抵抗しないことをいいことに 徐々にエスカレートしていった。
灯火のことだ。
勘づいたようだ。
灯火は彼女達にやめるようにいった。
だが勿論無視。
やめるわけなかった。
だが、正義感の強い灯火だ。
説得できないと悟ると彼女は無理は承知で行動に出た。
青臭い正義感振りかざして彼女達を警察につきだそうと したそうだ。
しかし、警察は一切動かなかった。
学校側にも勿論相談した。
だが、学校側の反応は冷たかった。
自分達で解決しなさい。
なんのための学校なんだ。
普通じゃない。
これが普通であっていい訳がない。
おそらく五条楓の家柄のせいだろう。
大人に見放され灯火はやけになったのかも知れない。
灯火は三人にこう提案した。
この屋上から飛び降りる。
自分が死んだら彼女には二度と関わらないでほしい。
面白がった三人はこの提案を呑んだ。
冗談だと思ったらしい。
彼女は本当に飛び降りて死亡した。
このあほくさい話が真相だ。
「本当に馬鹿みたいですね。私の為に死ぬなんて」
言葉とは裏腹に彼女の目は死んだようにうつろだった。
「おまえ一人のためなんて俺は一言もいってない。彼女 は飛び降りる数日前から体調不良で病院に診察しにいっ ている。精神的な疲労が相当たまっていたんだろうな」
彼女の体が震えている。
「嘘ですよね?灯火先輩はそんなに弱い人じゃない。正 義感が強くて優しくて誰よりも完璧だった」
最後は声が掠れてよく聞こえない。
「所詮人間だ。完璧な人間なんているわけない」
他人にそんな印象をもたれるなんて死んでもごめんだ。
重すぎる。
「わ、私が愛した灯火先輩はそんなんじゃない」
はっきり言わないといけないらしい。
「愛してた愛してた言うわりにあいつのことなにも知ら ないんだな」
事態はこの一言で大きく変わった。
彼女は包丁を首にあていまにも自殺をはかりそうな体勢 になった。
「私は灯火先輩のことならなんだって知ってる。先輩が 一番綺麗に見える服装だって知ってるし昔犬に噛まれた せいで犬が怖くて仕方ないこととか他には」
うんざりだ。
「もういい。そんなものは上っ面だけだ。そもそも他人 なんて理解できる訳ないだろ」
「ぎぃやああああああ」
彼女は奇声をあげながら刃物を喉に突き刺した。
のように思われたが直前で停止している。
どうやら間に合ったようだ。
ドアからは巫女装束を身に纏い、月明かりに照らされた 姿は天女のような幻想的な雰囲気を漂わせていた。
暗条光先輩だ。
「間に合ったようね。準備に時間がかかったのよ。ごめ んなさいね」
全く悪びれてない態度で幸子と向き合った。
「死にたいなら殺してあげるわ」
停止していた刃先が喉元に伸びる。
皮膚をわずかに切り裂き血が伝い落ちる。
そこで、刃は再び停止した。
「本当に死にたい?声は出せるはずよ。返事がないわ ね。ならさっさと死んでしまいなさい」
刃は一度喉元を離れ勢いよく刃が再び喉元に迫る。
「私は死にたくない」
それは、はじめてあったときのようなかわいらしい声で はなく、獸の咆哮に近い力強い生に満ちた声だった。
「私のせいで灯火先輩が死んだ。私が殺したんだ」
彼女の頬には涙が伝っていた。
「死のうと思っていた。先輩達三人殺して私も死ぬつも りだったの」
「でもできなかった。手が震えて急所をはずしてしま う」
それは、なんの偽りもない真実の叫びなんだろう。
彼女はこれからも罪悪感に苛まれ続けるだろう。
先輩は言っていた。
人を救うことは傷を共有することだ。
だから、軽々しく人を助けてはいけない。
彼女が本当の意味で救われることはないかも知れない。
だが、俺達が彼女自身の傷を共有することはできるはず だ。
「始まるわよ」
気がついたら光の粒がそこかしこに漂っていた。
今回の事件の元凶は間違いなく灯火だ。
死は穢れをもたらす。
いわゆる負のエネルギーという奴だ。
更に彼女の場合カリスマ的な人物だったため彼女の死を 悲しむ人間がたくさんいたわけだ。
これも、負のエネルギーだ。
結果的にこの学校を中心とした、ごく狭い地域に微量の 正のエネルギーと大量の負のエネルギーという極端なこ とになってしまいバランスが崩れた。
そのため世界はバランスを保つために負のエネルギーを 吸収しようとする。
しかし、量が多すぎた。
大量の負のエネルギーが地上にとどまり人間の精神に付加をかけた。
そのため何人もの犠牲が出た。
この世界にはこれと同じ現象が時々おきる。
突然性格が良かった人間が人が変わったようになったりするのだ。
世界にとって見れば人間の感情なんて無価値ということ だろうか?
そして、これから行うのは負のエネルギーを正のエネル ギーに変換するための儀式だ。
校内にはったお札により余分な霊気を封じ負のエネル ギーが正のエネルギーに変換しやすくする。
あとは世界がエネルギーを吸収しようとするのはサポー トするだけだ。
光の粒は溢れて美しく輝いている。
傷ついたものたちを優しく抱くように
作者月夢改
別アカウントで投稿した絡み合う糸を大幅に加筆したものです。
暗条光シリーズの二弾にあたります。
一作目の狂魂鏡を読んでいなくても問題ないです。
暇潰しにでもしていただけると嬉しいです。