これは、僕と友人の薄塩が小学5年生の時の事。
正直、結構トラウマになっている話だ。だからこそ、ちゃんと書きたい。
nextpage
その日、僕等はとある廃病院の前にいた。メンバーは、
・僕
・友人の薄塩
・薄塩の姉ののり塩(のり姉)
だ。きっかけは、のり姉が肝試しに行こうと言った事から始まった。小学5年生の冬休みの事だった。
nextpage
残念ながら場所は書けない。2階建てで2棟建ての産婦人科、とだけ書いておく。
そして、そんな建物が近くに思い当たっても、絶対にそこには行かないでほしい。心から。
nextpage
病院の中は、廃院してからかなり経つのにまだ綺麗だった。壁は淡いピンクや黄色。沢山の可愛らしいイラストが描いてある。
侵入は簡単だった。1階の窓に割られている所があったのだ。ご丁寧に箱まで置いてあった。前にも、ここに肝試しに来た人達がいたんだろう。
そんな訳で僕等は、1階の窓から侵入し、今、1階の廊下を歩いている。
最初は受付所。かなりこざっぱりとしていた。
その次は医師や看護師の待機室。とくに変な所は無かった。
診察室。順番に入っていく。
ひとつめ。何も無い。
ふたつめ。何も無い。
みっつめ。何も無い。
・・・・・・。
結局、診察室では何も起きなかった。
次は分娩室。入れなかった。・・・当たり前か。
次は・・・・・・遺体の安置室。捜すのにはかなり苦労した。
薄塩が呟く。
「産婦人科にも、あるんだな。」
のり姉が言う。
「バカだねー。全ての出産が成功する訳ないじゃん。」
はっっ、と吐き捨てる様に言う。
「それに、・・・殺す為に来る人もいるんだよ。」
「え?それって・・・?」
僕が答える。
「堕胎・・・ですよね。」
のり姉が頷く。
「確かに、仕方がない人もいるのかもしれない。でも・・・。」
のり姉が、ぐっと顔を歪ませた。
「遊び半分で子供作って、折角出来た命を棄てるのは・・・許せない。」
ドアノブに手を掛ける。
「」
作者紺野
どうも。紺野です。
この話は、申し訳ないのですが小出しにさせていただきます。・・・すみません。のり姉が堕胎をこんなに嫌うのも、理由があります。いつか、話します。