music:4
それは冬が終わったばかりの春、まだ冷たい風が吹く時だった。
裡は昨夜見た悪夢を忘れずにいた。悪い意味ではない。
裡(何が羨ましかったんだろ?それに今までとは全く違う感じだったな…なんか、ちょっと人間らしいっていうか。)
裡はなにか解決の糸口ををつかめそうでいた。
裡(腹に噛み付いたってことは、私のお腹になんかあったのかな…
結構上の方だから胃の辺り…食べ物に関してるっぽいな。)
裡は昨日食べた物を思い出してみる。
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「朝食」
「昼食」
「おやつ」
「晩食」
裡「そういえば、おやつに食べた洋菓子は美味しかった〜!また食べに行きたいな…
ん?洋菓子…?
あっ!!!
sound:21
迷宮うさぎサブレだ!!!」
裡はその特徴的なサブレを詳しく覚えていた、その形状も。
裡(迷宮うさぎサブレは本物のウサギそっくりだった。
sound:20
もし、シロミミが迷宮うさぎサブレを食べたくてもダメで代わりに近い物を食べようとしたとしたら…?)
この時の裡は冴えていたw
そう、幽霊となり冷静な考えを持てないシロミミは本物のウサギを食べ出すだろう…
それが裡が出した答え、シロミミの「本当にやりたいこと」だったのだ!
だが、この答えには1つ矛盾がある。
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sound:18
裡「でもなんでわざわざ人間をウサギにして食べているんだろ…?
それなら普通にウサギ食べるはずなのに…」
新たな謎が生まれたころ、裡のケータイが鳴った。
ケータイを見ると、直樹からの電話だった。
裡「もしもし?」
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ーーーーーーーーーーーーー
菁滋は直樹に頼み、一同をbrother Donutへ集合させた。
一同は好きなドーナツとジュースを頼み、奥の席へ集まっておやつTimeを楽しんだ。
裡(もきゅもきゅ…)
天魔(ガツガツガツガツ…)
笹雄「んで?なんで俺らを一旦集めたわけ?」
music:1
菁滋((それはだな、
sound:21
シロミミの呪いを解く事に成功したから、そろそろ本格的に動こうと思い、作戦会議の為に集めた。))
笹雄「本当か!?」
菁滋((あぁ、シロミミを浄化すればいつでも解ける。
この身体じゃなければな…))
裡「ん?(もきゅもきゅ…)」
天魔「あぁそういや言ってたもんな、身体小さ過ぎて大掛かりなことは不可能とか。(ガツガツガツガツ…)」
直樹「となると…あれやるの…?」
菁滋((そうなるな、あまりやりたくなかったんだが…
sound:20
誰かの身体を借りるしかないんだ。
笹雄君、来週の 土曜日…君の体を借りていいかい?))
笹雄「借りる?乗っ取るとかじゃなくて?」
菁滋((乗っ取るとなると、君の意識を眠らせることになるから避けたい。
借りるだけなら君の意識もあるし、体に負担はかからないだろう。))
笹雄「全然大丈夫だぜw なんか面白そうだなw」
菁滋((感謝する…))
天魔「で?2人ともはなんか収穫あったの?」
裡「あ、私から話します。」
裡は昨夜見た悪夢のこと、そこから推測できた答え、新たな謎について一同に話した。
直樹「確かに…筋が通ってるね。お腹大丈夫?」
裡「うん、ただ赤くなってただけだから。」
sound:21
笹雄「その謎なら、俺の入手した情報と照らし合わせれば解けるかもな…」
裡「え?」
笹雄「これを見てくれ。」
そういって笹雄はウエストポーチから折りたたんだコピー紙を取り出し、開いた。
コピー紙の内容は、
[私立第一××高校生徒失踪問題]
[今日未明、高校2年の藤城美海さんが突然失踪した事が私立第一××高校が会見に明らかにした。警視庁は誘拐も捜査に入れ…]
天魔「ん?××町にある高校は第二からしかないんじゃなかったっけ?」
笹雄「それが昔はあったんだよ!
1年位前に潰れたらしいがな…
あとこの高校についてこんな情報もあった。」
というと、笹雄は2枚目の紙を取り出して開いた。
なにやら私立第一××高校の裏掲示板のコメントみたいだ…
笹雄「もうこの掲示板は削除されてるがな、何とか削除前にプリントアウトできた。」
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[やーうまくいきやがったなwww]
[本当wwマジ豊作ww]
[何か買いに行く途中っぽいな、予想以上に金持ってたなww]
[マジ最高私立第一××高校ww次は誰を狙おうかな?]
[ギャルとかいいんじゃねぇの?制裁くらわそうぜww]
[賛成!!www]
[大いに同意!!www]
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笹雄「この裏掲示板が作られたのはこの[私立第一××高校生徒失踪問題]からたった2日後だった。
んでこの日から私立第一××高校に行方不明者が多発して、第一××高校は廃校になった。」
裡「その時生まれたのがシロミミ?」
笹雄「おそらくな。多分、
sound:21
シロミミは藤城美海だ。
今のシロミミは高校生自体を恨んで呪い食っている…」
菁滋((………、
見事だ。多分それが答えだろう。
君たちに出会えて本当によかったよ…))
裡「役に立てて嬉しいです。」
天魔「ところでさ、何で来週の 土曜日なんだ?なんかあるのか?」
菁滋((あの土地に下見に行った時、かなりの邪気が溜まっていた…僕の予想だけど、
多分その日にまた誰かを呪い食すだろうから、その時を狙ってシロミミを浄化処理しようかなと思ってね。))
裡「浄化処理って…真に成仏させないの?」
菁滋((シロミミには邪気が溜まり過ぎている…それを取っ払うのが先だ。))
直樹「だね…正気じゃなきゃ僕らの声は届かない…」
菁滋((それじゃあ、作戦の詳細を話すぞ。まずはな…))
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music:3
一同が作戦を立てる頃、カフェと化け、ペットショップと化けたあの場所は次なる変貌を遂げていた。
邪気はどんどん濃くなって壁となり、屋根となった。
中では廃材がぐるぐると渦を巻いて歪み、テーブルやイスとなった。
その中心にいる真っ白な少女は渦にその身を投げ、どこにでもいそうな主婦の姿となった。
呪い食してきた者たちの荷物から金を入手、
その場を後にした。
彼女がその場を去った頃、そこには一件のレストランが完成した。
開店日は来週の 土曜日だ。
作者ハピナ
みなさん!コメントと怖いありがとー!
(((o(*゚▽゚*)o)))
話はどんどん核心に近づいていきます…
(=゚ω゚)
次回はシロミミ浄化編となります、
まぁ要は決戦ですな。
(`・ω・´)ゞ