僕にとって夏は「後悔」の季節でしかない
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小・中学校の夏…
宿題を後回しにして、夏休み終盤に泣いた。
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高校生の夏…好きな女子に告白する前に、その女子が彼氏を作っていた。
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大学生の夏…早めに就職活動を始めた結果、全く満喫出来なかった。
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必死の思いで入社した今の会社も収入は中の下。さらに、有給休暇から戻ってきた僕に体良くミスをなすりつけた上司から、
「あ、お前は明後日から離島にある新設の事業部に異動な。」
という左遷命令。
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ーその日の夜ー
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僕は山に来ていた。
夜の山奥は街中よりも蝉の声がうるさい。
「…本当、夏は後悔の季節でしかない…」
そう呟いた僕の前には………
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ある一つの死体が転がっている。
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その死体を持ち上げてから、
「じゃあな。クソ上司…」
僕は崖から死体を放り投げた。
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死体が何かにぶつかった音がしたが、夏の蝉の声にかき消されてうまく聞こえない。
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「あ、そうだそうだ。」
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僕は誰かに言うのでもなく。
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「大人になってから後悔するのはこれで…」
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1人でにこう言った。
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4回目だったかな?
作者赤庭玖繰