6月の梅雨の時期のことでした。
私が1人で学校からの帰路についていた時。
梅雨の影響からか、雨がシトシトと降り続いていました。
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「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪…ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪…」
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私は長靴を履いて傘もささずに、曖昧に覚えている歌を口遊みながら、水たまりの上で足踏みをしています。
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「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」
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そんな時です。
ある1人の見知らぬ人が私の目の前に現れ、
「ヒッ!」
と声を上げてどこかに走って行きました。
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なぜさっきの人が逃げるように走ってどこかにいってしまったのか、私には分かりませんでした。
私は、また歌を口遊みながら足踏みを続けます。
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雨が少し弱まり始めた頃です。
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「あ、見つけた〜!」
そこにはカエルが1匹座っていました。
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興奮気味の私はそのカエルを捕まえ、
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【さっきまで足踏みをしていた水たまりに投げ込みました。】
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「ピッチピッチ、チャップチャップ、ランランラン♪…ピッチピッチ、チャップチャップ、ランランラン♪…」
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私は長靴を履いて傘もささずに、曖昧に覚えている歌を口遊みながら、まだまだ水たまりの上で足踏みをしています。
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私の足元にできている水たまりは、すっかり赤色で埋め尽くされていました。
そう…
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【沢山のカエルの死体と共に…】
作者赤庭玖繰