Noinです。これから話す話は、同業者から聞いた話です。
それと、補足説明。要らないと思いますが一応。
99年間、大切に扱われたも物が九十九神に
99年間、放置された物が付喪神になります。
※※※
その日、俺は戦っていた。
何とかって?
そりゃあ、神様とだ。
俺はどこぞの陰陽師でも無きゃ、霊媒師でも無い。
ただの憑き物回収班だ。
その憑き物が神様だった。
まあ、付喪神だな。
憑き物を回収、持って帰るのが俺達の仕事だ。
その憑き物が神様って事はさほど珍しい事じゃねえ。
ただ、憑き物の形状が厄介だった。
面だ。般若面だ。
九十九神や付喪神は憑いた物の形状で、神通力、又は妖力が変わる。
付喪神は只でさえ厄介だ。しかも、般若面と言うのは
般若を模して要るから、普通に妖力等が強い。
その二つが合わさってみろ。クソ厄介だ。
しかも、今は夕暮れ時。妖怪等は、夕暮れ時等曖昧な時間帯が一番強い。
不幸が三つも重なっちまった。
「クソッ。こんな事なら退魔師でも呼べば良かった。」
なんて言ってもどうにもならない事は、百も承知だ。
クソッ奴は何処だ。何処にいる。
俺はふと、横道を見てみた。
「居た。あんな所に居たらわかんねーよ」
奴は横道の暗闇の中を漂っていた。
「こんな時の為に護符を持たせてくれてありがとーよ、オーナーさん」
俺は奴に向かって護符を投げた。
護符は奴に当たった。だが、一瞬怯んだだけだった。
「此方に来てるよな。うん、来てる。」
よし。逃げよう。
俺は全速力で逃げた。
「ハアハアハア。もう来てないだろぅ。」
否。奴は着いてきていた。
「ハハッ、何処まで着いてくんだよ。」
想像してみろ。真夜中に般若面がふよふよ浮いて此方に
着いてきてるんだぜ。
気味悪い以外の言葉が見つかりゃしねえ。
よし、あの手を使うか。
最終奥義、物理攻撃。
俺も男だ。負けらえねぇ。
「よし、来いよ。返り討ちにしちゃる。」
あ、駄目だ。やっぱり怖い。でも、これ以上、退けない。
「来たな。え、マジで」
奴は俺の腕に噛み付いて来た。
「クッソ痛いなこの野郎。」
ブチッ
何かが切れた音がした。
でも、そんな事気にしちゃ要られない。
「オラァ」
俺は奴にパンチを喰らわせた。
カタカタカタ、パリーン。
「あ、割れた。あ~あ、どうしよう。まあ、いいか。」
そのあと、噛まれた腕をみてみたら。
何故か腕では無く、中指が無くなってた。
「・・・面拾って帰ろ。」
俺は面を拾った。
「あれ、こんな傷あったっけ?」
面には、大きな傷が着いてた。
だが、俺が着けた傷では無い。
「まて、そもそもこいつに着けた護符も無くなってる。」
「まあ、いっか。一応般若面は回収出来たし。」
俺は、来た道を引き返した。
作者退会会員
いや同業者にもこんな人も要るんだなー
何て思ってましたが、
中指食われて何とも無い人って何なんでしょう。
人なの?化け物じゃないの?
結局、物理攻撃が最強というのは、本当に何なんでしょう?