高校生の時、〈現〉という友達がいた。
現は何時も何かに脅えていた。
それは、何時も違っていた。
私は、そんな彼と仲が良かった。
だが、彼を気に入らない人も居たわけだ。
まあ、気に入らない人の数が多かった。
要するに、彼は苛められていた。
高1の時は無かったが、高2になって苛められる様になった。
私は、臆病者だ。彼から離れる様になった。
何でかって?恐いから。誰だって痛いのは嫌だろ。
でも、放課後に二人しか知らない所に良くいった。
田舎だ。そんな所は沢山ある。流石に全部は回れない。
だが、何故か一発で現と会えた。その際、現は
「遅かったね。」
と、まるで、此処に来ることを知っているかように喋る。
だが、高3になると彼と会うのも少なくなった。
何でかって?クラス換えが有ったからだ。
そして、ある日、彼が居なくなった。
自殺でも、失踪でも無い。居なくなったのだ。
苛めッ子達は何故か彼を覚えてなかった。
それ以外の人は、「そんな人居たな」程度にしか覚えていなかった。
こんな事、ミステリの中だけだと思っていた私は、彼を探した。
必死に探した。でも、見つからなかった。
そんな、ある日。彼から電話が来た。
現「やあ、」
私「現、お前何処にいるんだよ」
現「少し、遠い所。」
私「いや、だから何処に」
現「そう言えば、僕の部屋に刀が有るんだ。」
私「そんな事は聞いてない。」
現「君にあげるよ。」
私「だーかーら。お前は何処に居るんだよ」
現「君だったら解るはずだから。」
プチッ
「切られた。」
「まあ、明日取りに行ってやるか。」
・・・・・・・・・・・
それから、何年経つだろう。
私は彼の家をまだ、見つけられていない。
そもそも、現は本当に居たんだろうか?
私が作り出した、妄想だったのか。
それは、分からない。だが、彼を覚えている人も
何人か居るのは事実だ。
私は、今日も彼を探そう。
彼が何を言いたかった分からないから。
作者退会会員
中学時代の悪友?の話。
怖話というよりは、意味怖ですね。(´ο)シッパイダナ
因みに彼は今も現の家を探して全国を回っています。
〈現〉は勿論偽名。