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中編3
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ロッククライミング事故

とてもとても昔の話。

しかも不思議で訳のわからない話です。語り手の私でさえよくわかってないので、意味がわからなかったらごめんなさい。

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あるところに、ロッククライミングを趣味とする男性5人がいました。5人は仲が良く、週末になる度にみんなで新たな岩に挑戦していました。

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その日も、メンバーの一人の車に乗り込み、5人はロッククライミングの出来る山を目指しました。天気もよく、大変良いクライミング日和だったそうです。

山の上の方に、良い感じの傾斜の岩を発見した5人は、興奮気味に登り降りを繰り返し始めました。

岩を上るときに刺す棒(ピックと言うのでしょうか?)をしっかり岩に捩じ込みながら、クライミングを楽しんでいた5人ですが、一人がある提案をしました。

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『なぁ。Aの登る前に、ピックを少し緩めといてやろうぜ』

Aというのは、5人のリーダー的存在で、みんなから信頼はあったのですが、なにぶんジャイアン的なところがあり、少し疎まれてもいたのでした。たまにはギャフンと言わせたいのです。

そこで4人は、Aより先に登って、Aの直前に登る人がピックを緩めて行くことにしました。

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『A!みんなで岩の上で写真撮ろうぜ』

『おう。いいぜ』

5人は岩をよじ登り始めました。

4人はニヤニヤが止まりません。Aのビックリした顔を見て、みんなで笑ってやるのです。

4番目に登った人が、ピックを一本緩めました。準備万端です。

『Aも早く来いよー』

『いくいくー』

Aは岩を登り始めました。ゆっくりと、そのピックへ近づいていきます。

そして、そこへ足をかけました。

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誰も、悪気があったわけではありませんし、Aのことが嫌いな人なんていませんでした。

少し、悪戯がしたかったのです。

しかし

shake

ピックが抜けたせいで頭から落下したAには、言い訳にしか聞こえないでしょう。

慌てて上から覗きこんだ4人でしたが、Aは即死でした。

取り返しのつかないことをしてしまった…。

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気がつけばどっぷり日は暮れて、早く帰らないと遭難しかねない時刻になっていました。

携帯電話などない時代ですので、通報することも出来ません。

とりあえず4人は、Aの身体を平らで綺麗なところへ移動させ、手を合わせてから、Aの荷物を車に積み込み、麓の警察へ向かいました。

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車の中では誰も口を開かず、重苦しい時間が流れていました。

その沈黙を破ったのは、運転をしていた一人の言葉でした。

『あれ?ヒッチハイクか?』

前方に、学ランに下駄姿の少年(青年?)が、確かにヒッチハイクをしていました。

車を少年の側に止めて、窓を開けます。

『どうしたの?こんな時間に』

『○○駅はどこですか?』

○○というのは、今いるところの地名で、その駅というのは、山を降りたところにあります。

『ここ、真っ直ぐ下っていけば着くよ。乗せていってあげたいけど、ちょっと俺たち色々あって、車のなか散らかってて、乗る場所がないんだ。ごめんね。』

そう言ってまた車を走らせました。

しばらくして、4人はおかしな点に気付きました。

どうして山奥に、しかも夜に、学ランの少年がいるのか。戦時中じゃあるまいし、下駄というのも少し奇妙です。

おかしいな…と思っていたそのとき、運転手が悲鳴を上げました。

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先程の少年がヒッチハイクをして、何かを叫んでいます。

おそるおそる車を止めて、窓を開けました。

『○○駅はどこですか?』

『や、山の下!!』

そう叫ぶと、運転手は車を急発進させました。

『おい!なんだよあいつ!』

『車に追い付くとかあり得ないってってうわあ!』

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また前方に、少年が立って、ヒッチハイクをしていました。口をパクパクさせて、何かを叫んでいます。

『無視しろ無視!!』

『うわぁぁぁぁぁ!!』

少年の前をそのまま突っ切り、アクセルを全開にしました。

そのため、目の前が崖になっていることに気が付かず、

shake

車はそのまま落下してしまいました。

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車が落ちたその崖。

それはなぜか、Aの落ちた崖だったのです。

おしまい

Concrete
コメント怖い
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神判時さん“怖い”“コメント”ありがとうございます。
神判時さんの直球ホラー見てみたいです!!

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ほたてさん、コメントありがとうございました。本格的な作品を書くほたてさんからの評価、嬉しく思います。読ませて頂いてたまには直球勝負もいいかなって思いました。

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mamiさん
“怖い”“コメント”ありがとうございます!
仮にAさんの仕業だとしても、制服下駄少年が誰なのか、謎が残ってしまいますもんね…

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Aさんの仕業…とは思いたくないですが…
その制服下駄少年も気になりますね。

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はなさん
“怖い”をありがとうございます!!
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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テンさん
私にとっての初“怖い”ありがとうございます。
テンさんの怖い話、とっても好きです!!
これからも楽しみにしてます(゚ω゚)

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