ドイツではローレライ、ギリシアではハルピュイア、日本では夜雀、名前は幾らでもある。
でも、変わらない事もある。私の生き甲斐は唄を歌う事だ。
だから私は今日も唄を歌う。それで船が沈もうと私の知った事じゃない。
『バンッ』
銃声?射たれたの?この私が?なんで?私は唄を歌ってただけじゃない。私が何をしたの?何もしてないでしょ。
嗚呼、落ちる。いや、なんの為に羽がある。飛ぶためよ。まだ、死ぬには早い。私の羽よ動いて、、、、、なんで動かないの?
まさか、射たれたのは羽?案の定羽から血が出てる。これは動かない訳だよ。
『ザバン』
海の中ってこうなってるんだ。嗚呼、私は死ぬんだ。
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「砂?嗚呼、海岸か。なんだ、生きてんじゃん私」
私は海岸に打ち付けられてた。
「もう、この羽じゃ空を飛べないよね」
私は羽を持っていたナイフで切り落とした。
「グッアアアアァァァァ。ゲホッゲホッ。ん、オエェェ。」ドピァッ
予想以上に痛い
「ハアハアハア、クッソ。折角痛み引いてきたのに、もう一つ有るのか」
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羽を切り落としたのは良いけど、此からどうしよう。いく宛も無いし、友達と言える人?ん、私達って人じゃないよね。怪物?妖怪?なんだ?まあ、取り敢えずも妖怪は日本だ。
???「ちょっお前、大丈夫か?凄い血が出てるけど。取り敢えず僕の家来い」
「貴方、誰ですか?見知らぬ人を家に上げる何てどんだけ非常識なんですか」
あ、駄目だ。意識が朦朧としてきた。此処で落ちたら駄目だ。
???「いやいや、凄い出血だよ。早く手当てしな・と・・じゃう・ら、だから、い・・・・」
もう、駄目だ
『バタッ』
???『大丈夫じゃないじゃん!取り敢えず早く処置しないと』
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ん、此処は? 嗚呼、さっきの人の家か。連れて来られたんだった。
???「あ、起きた?此処まで連れて来るの大変だったんだよ。不審者に間違われたり。・・・あ、自己紹介がまだだったね、僕は、、名前、、好きに呼んで、僕らに人権なんて物は無いから。」
「じゃあ、鵺なんてどう?」
鵺「ぬえか、良いねそれ。どういう意味?」
「日本の妖怪で正体不明って意味」
鵺「格好いいじゃん。君は、なんて言うの?」
「私の名前は、、そうね、夜雀かな?」
鵺「それも、日本の妖怪?君、日本人なの?」
夜雀「ええ、でも私は日本人じゃない。日本に長く居ただけ」
鵺「そうなんだ、、、」
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寝れない。慣れない環境だと云うのもあるのかも知れない。
夜雀「♪~~」
鵺「ふーん、歌上手いね」
夜雀「!!?何時から居たの!?」
鵺「最初から」
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この生活にも慣れてきた。
私が怪物と言う事はまだバレてないみたい。
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鵺「君を見つけてもう15年経つか」
夜雀「気付いてた?」
鵺「最初からね」
夜雀「出ていった方が良い?」
鵺「いや、良いよ。もう少しで、いや、なんでも無い」
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鵺が死んでもう3年。私の居場所は完全に無くなった。
そもそも、羽を失った時点で私は、船誘では無くなっていた。
其なのに私は死なない。いや、死ねない。もう、生き甲斐の唄を歌う事も叶わない。
其なら、この舌も要らない。
この舌も、あの羽同様に、切り落とすだけ。
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・・・・・・
~END~
作者退会会員
なんでしょうね、この話。
書こうと思ってた話と全然違う話になってました。