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短編2
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全く記憶に無いんだが

僕が幼い頃の話でございます。

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この話を祖母から聞かされたのはついこの間。数年ぶりに祖母に会いに行った際に聞いた。

昔の話をしていると祖母が思い出したように語り出した。

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「あんたが...6歳の頃だったかなぁ..母親と父親が仕事で家を留守にするからってんで家で預かった事があってね...」

僕の両親は共働きだったのでよく祖父母の家に預けられる事があった。

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その日も祖父母の家に預けられ、僕が寝るまで祖父母は遊んでくれた。

寝る時間になり、祖母の布団の隣に布団をひいて寝た。

夜中0時位だったか..祖母が僕の異変に気付き目を覚ました。

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隣で寝ていた僕が祖母の布団の中に潜りこんでいたのだ。

「どうしたんだい?」

「...っ...ぅう...怖いよ...怖いよおばあちゃん。」

祖母にくっつき僕は泣きながら怖い怖いと言っていた。

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祖母は僕が泣き止むように背中をさすりながら怖くない怖くないと言った。

なかなか泣き止まないので祖母は僕に何が怖いのか聞いた。

すると..

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「おばあちゃん..スリッパの音がするよ。スリッパの音がする!廊下からスリッパの音がする。怖いよ..女の人が居る..スリッパ履いた女の人が廊下を行ったりきたりしてるよ!!!」

祖母はきっと母親が恋しいから夢を見ているのだと思った。

祖父は隣で寝ているし、スリッパはしまってある。この家でスリッパを履く者は居ない。

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「まだスリッパの音がするのかい?」

「うん。スリッパの音する..女の人がスリッパ履いてるもん怖いよ..」

祖母は廊下を確認してみたが誰も居ない。

祖父母の部屋のドアは磨りガラスになっていて、廊下に人が居れば透けてみえるようになっていた。

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寝室のドアを閉め僕にもう一度聞いた。

「廊下に誰も居なかったよ?まだ音がするのかい?」

「.....」

僕は何も言わずに祖母を見つめた。目に涙を溜めて。

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「きっとお母さんが居ないから寂しくなっちゃって音が聞こえるんじゃないかい?おばあちゃんが側に居るから大丈夫だよ。」

祖母は僕の入っている布団に入りながらそう言った。

「...スリッパの音は止まったけど..あそこのドアから女の人がみてるよおばあちゃん!真っ黒黒の髪の女の人がみてるよ怖いいいいい!!」

ゾッとして祖母は寝室のドアをみた..

誰も居ない。

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僕は眠りにつくまでずっと怖い怖いと言いながら泣いていたらしい。

僕は全然記憶にない。

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あの女は誰だったんだろう?

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おしまい

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鎮魂歌さんコメント"怖い"をありがとうございます!嬉しいです。
動物の視線気になります..もしかして人とは別の何かを見ているのではないかと考えてしまいます。
成る程、そうかもしれませんね。子供の頃に不思議な体験をされる方多いですし。
人によって顔が異なるのが怖いですね..鎮魂歌さんに何を訴えたかったのでしょうか..気になります。

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たまに猫が虚空を眺めていたりする時も有りますが…、
自我が根付いていない子供には五感では見えない何かが
見える事が有るのかも知れませんね。

私は恐怖体験をした事は有りませんが、
虫の知らせと言うか祖父が無くなる時に
祖父の夢を見ました。

私だけでなく、血の繋がってる親戚全員が
祖父の死ぬ日の1週間前から同日までに
祖父の夢を見たのです。

怖いのは…人によって夢に出てきた祖父の顔が
笑顔だったり、怒りに満ちていたりと表情が違うと言う事です。
私の夢に出てきた祖父は目の周りが血を塗ったように赤く、
何か訴えたそうにこちらをジーっと見ていた事です。
正直、怖かったです(T_T)

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aoiさんコメント・"怖い"をありがとうございます。
民宿の亡くなったお婆様がaoiさんに降りてこられたのが少し怖いですが、先生とお話したかったんだろうなと考えるとほっこりした気分になります。幽霊も様々ですね。

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小学6年の時に塾の研修旅行中に先生の知り合いがやって居られる
民宿に一泊したのですがお盆近くだったからか夜中にその民宿の亡くなった
お婆さんが私に降りてこられて先生と世間話をして帰っていかれたそうです。
翌朝起きた時にその話を聞かされたのですが私はきっぱり熟睡していたので
覚えていませんでした。その亡くなったお婆さんと面識もありませんし・・・
真偽のほどは不明ですが不思議な話です

そう言えば幼き頃「拝み屋さん」とか「霊媒師さん」らしき所へ親によく連れて行かれていた
記憶がかすかにあったりします(ーー;

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