夜中の話でございます
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眠気と共に寝室へ向かう
ベッドに入り目を瞑る
時計の針の音が響く
チッチッチッチッ....
決まったリズムを刻む音が遠くの方で聞こえるようになってくる
だんだん夢の中へ...
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耳に違和感を感じ曖昧な覚醒の中
意識を集中させる
ベチャ...ネチャ....
耳を舐められている
とても丹念に舐めるその舌
「んぅ...誰だ」
自分の声が寝室に浮く
「にゃぁ」
猫だ
猫が耳を舐めてくる
何度も何度も舐める
「...もういいよ」
「にゃぁ」
耳を舐める舌が止まる
そして再び夢に落ちる
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今日も眠気と共に寝室に向かう
ベッドに入り目を閉じる
静寂と時計の針を刻む音
だんだん意識が遠のいていき
夢の中へ....
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耳に違和感を感じ曖昧な覚醒の中
意識を集中させる
ベチャ...ネチャ....
耳を舐められている
丹念に舐めるその舌
「ん...何...」
自分の声が寝室に響く
「にゃぁ」
猫だ また猫が耳を舐めている
「にゃぁ...」
「もういいよ...」
舌の動きが止まり 寝室が静かになる
だんだん夢の中へ向かっていくのを感じる...
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次の日の朝、昨晩の耳舐めを思い出す
舐められた耳を撫でながら冷静に考える
自分は猫を飼っていない
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耳を舐めるあの舌は猫の舌にしては大きすぎる
まるで人間の舌のよう
自分は一人暮らしだ
自分以外部屋に誰も居ない
あれは何なのだ?誰なんだ?...,
「にゃぁ....」
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おしまい
作者群青
何者かわからないものに耳を舐められる 不快ですね。
舌のねっとりとした感じを想像すると悪寒が...