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短編2
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怖いもの好きになった訳

自分が、小学校、中学年頃の話です。

ある時期、小学生の間で呪いのビデオが流行っていた。

呪いのビデオと聞いて、リングを思い出すが、

上映されたのは、この数年後。

自分のクラスでも、呪いのビデオの話で持ちきり。

が、見た人は、いなく。

噂止まり。

見たら死ぬ

見たら呪われる

見たら発狂する

途中で見るのを止めると死ぬ

途中で見るのを止めると、呪われる

隣の小学校で、見たやつが死んだ

隣の小学校で、誰かが狂った

ホントに、いろんな噂が合った。

その頃の自分は、冷めた目でその話を聞いていた。

ある日、塾の帰りに、隣の小学校の、やつが話しかけてきた。

「お前さ、呪いのビデオ見たことある?」

ホントに、どこでも、流行ってんだな!って思いながら、話を聞いた。

「お前んとこの小学校で、呪いのビデオ見て、死んだやつがいるって、ほんと?」

そんなやつは、いねぇよ。と、言いかけたが、止めた。

「兄貴がさ、その呪いのビデオもらってきてさ。見て感想聞かせろ!って言うんだぜ。」

「でさ、お前こういうの信じてないじゃ?」

確かに、

「見てくんない?」

とりあえず、借りた。

信じては、いないが、興味は、合った。

次の日、親がない間に、ビデオを見た。

始まると、白い背景に赤い丸。

日の丸かな?

と、思いながら、3分。

映像が、進まない。

仕方なく、早送りする事、5分。

急に、映像が変わった。

今度は、真っ白な画面。

遠くで、赤ちゃん泣き声がする。

と、画面の上から黒い液体が流れてきた。

液体は、恐らく、墨。

濃いところ、薄いところ、墨絵に見えときた。

「わっ!!」

驚いて、ビデオを止めた。

墨絵が、首を吊った女の人に見えた。

そう思ったとき、最初の映像を思い出した。

映像が変わるとき、画面の上からシャッターが閉まるように、画面が変わった。

それが、まばたきにしか、思えなくなった。

赤い丸が瞳で、白い背景が、白眼。

ビデオを取り出し、外へ、

ビデオを地面に叩きつけ、持ってきたバットで壊し、公園のゴミ箱に捨てた。

その夜、夏だと言うのに、寒気が、止まらなかった。

その後、塾の友達には、何も写っていなかったと、ウソをついてあやふやにした。

数日後、小学生の事故死が相次ぎ、呪いのビデオの噂が、加速した。

それと、同じくして、犯人が捕まった。

ちょっとしたイタズラ心で洗脳ビデオを作り、

小学生に数本渡したらしい。

呪いのビデオの噂は、その後、終息した。

最後に聞いた噂は、

『呪いのビデオを、途中で見るのをやめると、

怖いもの好きになる。』

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