自分が大学生の頃の話。
友達が車を買ったと、ドライブに連れ出された。
夜中の10時だというのに、
男3人で海へ行くらしい。
渋々、ドライブに付き合い、
海まで行き、眺めて、帰った。
帰り道、コンビニに寄って、不意に、カーナビを見た。
周辺地図の中におかしな、マークがあった。
それは、ドクロマーク。
危険地帯か、何か、なのかと思い、さわると、
『心霊スポット ○○神社』
ドクロマークは、心霊スポットを表示していた。
よくよく、調べると、宿泊、娯楽、などのカテゴリーの中に、心霊スポットまであった。
開くと、日本各地の心霊スポット5000件が入っていた。
その事を、2人に教えると、
「行こうぜ!」
怖いもの好きな、自分としては、賛成だった。
周辺を調べると、そこから、10分ほどで行ける心霊スポットが3つもあった。
近い順に、行くことにした。
始めは、○○神社。正確な名前は、忘れてしまった。
結果、何もなかった。
街灯もあって明るく、つまらない場所だった。
次は、「雄蛇ヶ池」
カーナビが連れてきたのは、防波堤のような場所だった。
車を降り、防波堤を登ると恐らく、池の縁。
今度は、暗すぎて、回りがよくわからない。
防波堤づたいに、歩くと、明かりが見えた。
その明かりを目指し歩くと、
「あれ。人じゃね?」
よく見ると、明かりは、街灯だった。
その下に、いるらしい。
確かに、影が見えるが、人かどうかわからない。
近くに行って確認するため、進むと、二人が怖がりだした。
「戻ろうぜ!」
言った瞬間、
バシャバシャバシャッ!!
「うお!!」
さすがに、自分も声をあげて、驚いた。
カモだった。
カモが驚いて、騒いだだけだった。
「カモだよ。びっくりしたぁ。」
二人は、居なかった。
車に戻ると、二人がいた。
「おい!」
懲りずに、次、
『活魚』
お魚屋さん?
この時は、おかしな名前に笑ってた。
ナビ通りに進むと、車が一台がギリギリ通れる農道を通った。
舗装もされていない道なのに、ナビは、案内を続けた。
目的地の方角を見ると、確かに、『活魚』の看板が見えた。
かなり、近くまで来ると、坂を登り、活魚へ行く道と、その下を通る道の二手に別れていた。
「ここまで、来たら行くしかないでしょ!」
さっきは、逃げたクセに、大口を叩く。
まぁ、賛成だったが。
ナビが、急に、
「目的地方面は、通行止めのため、修正します。」
確かに、活魚への道は、バリケードで封鎖されていた。
仕方なく、下の道を通った時、
自分は、下を見た。
見上げれば、活魚が見えるのに、見れなかった。
見ては、いけない気がして、顔を上げられない。
「お前ら、活魚見れる?」
「俺も、下向いて前向けない。」
と、運転手が言った。
「お前運転は?!」
「してる。体が勝手にしてる。」
時速10キロほどだろうか、ゆっくり車は、
進んだ。
不意に、窓から光が差し、上を向くことができた。
光は、活魚に隣接するラブホだった。
後ろを振り向くと、活魚は、通り過ぎていた。
ナビは、いつの間にか、自宅アパートをナビしていた。
「怖かったぁ。どうするもう一回行ってみる?」
「いや、やめた方が、いい。ナビが帰れって言ってる気がする。」
自分で言うのもなんだが、こういう時の勘は、あたる。
いや、当たった。
結局、アパートに帰り、それ以降、何も起きなかった。
が、2日後、
活魚で、女性の死体が、見つかった。
犯人も、捕まっていた。
なんでも、彼女と口論になり、カッとなって殺してしまい、死体を隠すのに、心霊スポットで人が来ない、活魚を選んだらしい。
そのニュースを聞いたとき、
血の気が引くと、いう意味を初めて知った。
作者赤屍
その後、友達の車は、盗まれ、未だ見つかってはいない。
あのカーナビ欲しかったなぁ(笑)