どうも久しぶりの寄稿です。
リアルな実体験をそのまま書き過ぎると文章力の無さが浮き出ますね(笑)
今回は違うタイプの話にします。
いつもとは違う文章でしかもダラダラ長いのでご注意を。
10年くらい前。夏。
当時、俺達はキャンプしていた。
四、五人だったと思う。
昼間に出発し終点の駅から山道を登り目的地のキャンプ地へ。
駅から徒歩で小一時間くらいで到着。
重たい荷物を河原に置きまずは休憩。
そしてテントの設営をする為河原でも石が比較的に小さな所へ。
河原といっても年々水量が減り水無川の様になっていた。
そのキャンプ地には砂防ダムがあり25mプールくらいのダムでした。
誰かが放流したブラックバスが一匹泳いでいた。
石を積み上げ火を起こし晩御飯を作る。
飯盒で炊いたご飯とカレーは美味しかったのを記憶している。
バチバチと焼ける木を見つめる。
火を見ていると全員まったりしている。
俺達はキャンプ地で軽く酒を飲みながら手頃な岩に腰を掛けてくだらない話ばかりしていた。
しばらくしてから1番の年長者であるKが言った。
K「怖い話してやろうか?」
全員「おぉ〜‼︎イイっすねぇ(^^)」
俺「お願いします!」
K「ここでよく俺達はキャンプするよな?
、、、ここで昔何があったか知ってるか?」
......正直、よくあるパターンかなと思ってしまった。
けど段々と思っていたのとは違う方向へと話は向いて行きました。
K「ここなぁ〜昔、死人が出てん。ま、山登ってる途中に防空壕跡地あったりするから当たり前やと思うやろ?違うねん。ここやねん。今、俺達のおるこの場所で死人が出てんねん。」
誰かが言った。
「もぅ〜やめてくださいよぉ〜。寝る時テントから出てションベンしに行かなあかんのですから。」
K「わっはっは。まぁ聞けょ。この砂防ダムな、殺人事件あってん。」
Kの目が輝いて見える。
K「そいつらも此処でキャンプしてて喧嘩になってん。めちゃくだらない事やで?ちょっと肩パンや膝蹴りでふざけあってたら、、、ある時本気で相手にいいのが入ってん。そしたらキレだして殴り合いの喧嘩。止めに入った奴も殴られるという大惨事。そいつら二人とも格闘技経験者やったからさ、、、普通の奴では仲裁出来んかってん。」
一同沈黙。
手に持った缶チューハイをグビリと飲み再び話を続けるK。
K「でな。たまたまやねんで?たまたま足払いしたら倒れた時に頭打ってん。此処、足元が石だらけやろ?だから、、、打ち所が悪かったんかな。倒れた奴いきなり無言になってん。」
トプン。
砂防ダムから水の音がした。
誰かが石を投げたのだろう。
K「そしたら喧嘩してた奴も急に冷静になってん。おい‼︎痛かったか?すまん‼︎ちょっとやり過ぎた。痛いか?動けるか?って何度も問いかけるけど無言やってん。身体揺すった時に初めてわかってん。キャンプしててテントの周りの溝掘りに使ってたスコップとツルハシが一体型になってるやつ。あれで昼間石を砕いて化石探ししててん。そしたらその時に割りまくってた石がさ、、、丁度倒れた奴の首の後ろにぶっ刺さってて。魚の神経〆みたいに即死だった。」
トプントプン。
沈黙は重い。
誰かが次の言葉を待っていたと思う。
明るくパァっと変わる話と言葉を。
そしたらそのままKが缶チューハイを片手に飲みながら続ける。
トプントプントプン。
K「本気でパニックになってん。初めての人の死が目の前であった事、しかもそれが仲間から出た事、誰もいない山の中でたき火の明かりしかない。そのたき火も喧嘩の最中に蹴り飛ばされ辺りに散々となり段々と暗闇が迫ってきててん。人間ってな。本当にパニックになるとな、、、判断間違えるんやで?なんとなそこにいた連中、、、っても死体と三人だけやけどな。死んだ友達をどうしたと思う?」
俺がすぐさま口火を切る。
切って終わらしたかったんだ。
俺「ま、救急車か警察でしょ?それか麓まで降りて助けを呼んだんですか?」
以外な程あっさりと結論を言われ俺は背中側から冷たいモノを流し込まれたかの様に鳥肌が立ったのを覚えています。
Kからの言葉はある意味皆の頭の中で予想していたがそうでないと願っていた言葉だと。思います。
K「内緒にしてん。何もかも。まず殺人起こした事バレたくないし。誰と遊びに行くかも言ってないし。死んだ奴、、、親からも見離されてたから。死体を土を掘ってさ、、、埋めようかと思ってツルハシ握ったんやけどな。やっぱり石だらけで掘られへんねん。段々と血の臭いが首から立ち込めてきてな。仲裁に入った奴は泣くしな。だから考えてん。砂防ダムに重石付けてロープでぐるぐる巻にして絶対浮かんでこない様に。」
トプン、、、トプントプン。
トプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプントプン。
石を投げてはいない。
が、水の音がする。
砂防ダムの水面は波一つない。
俺が振り返る度に皆も砂防ダムの方を見ているから多分皆にも聞こえている。はずだ。
K「で、だ。そのままなら見つかるかもしれない。だから沈めた後に石をいっぱい投げ込んでさ、死体の上に目掛けて。そしたら上手い事見えなくなってきてさ。最後の仕上げに倒木を、、、杉だったと思う。ここ杉山やろ?たまに杉林のすき間に倒れてる木あるやろ?あれを何本か投げ込んでん。」
確かに砂防ダムの水底には杉の倒木がありそこをブラックバスが悠々と縄張りを示すかの様に泳いでいた。
K「そこでキャンプは終了。すぐさま帰り何気なく普段の生活に戻ってん。本当に怖いのはここ。三人ともしらばっくれて普段の生活に戻ってん。たまに殺人現場に行っては浮いてこないか?見つかりそうじゃないか?って確認しながら。もちろん親から見離されてるけど捜索願は受理されてたで。しかし数ヶ月したら打ち切りやった。何処かで暮らしてる可能性の方が大きいから。以上!怖い話!!!怖くないか?人一人殺しても普段通りに生活してるって。それを知らずに世間に溶け込んでるって。」
「マジっすか〜?俺はてっきりそこからの幽霊の流れだと思ってましたわ。」
「いや、けどマジな話ならば俺達の座ってる所にもそいつらいたんですよね?」
「どっちにしても今日はションベンは連れションでお願いします。」
と、矢継ぎ早に言葉が飛び交う。
その中で俺は質問してみた。
俺「あの、、、さっきからトプントプンって何回か砂防ダムから音しなかった?最初は誰か石でも投げてたのかな?って思ってたけど。話の最後の方、、、大量に石が投げ込まれた様な音してましたよね?」
「あっ、俺一回だけ投げた。」
「俺はてっきり先輩が後ろ手で投げながら話してたのかと。」
「最後の方のトプントプンって音は山から石が落ちてきたのかと思ってたけど、、、」
辺りは虫の声と草の擦れる音、パチパチと音を立てるたき火の音だけ。
俺「けど一度も水面揺れてなかったよな?」
そして確信に迫ってみた。
俺「K、、、何故そんなに詳しいんですか?そして後ろ手では石も拾えないし片手には缶チューハイがありました。あの音の秘密知ってるんじゃないですか?Kだけですよ?あの音無視して淡々と話していたの。」
K「簡単な事だょ、、、当事者だからな。
あの音はやっぱり聞こえるんだな。俺は毎日何処にいても聞こえるんだぜ。」
Kの目の輝きはとても冷たく見えた。
そしてキャンプも無事に終わりまた平穏な日常に戻っていた。
どうかKの話が作り話である事を願って。
作者パグ太郎