あれから数日が過ぎた......
あの日、怪我をしたニシムラくんを私の家に連れ帰り手当てをした。
が、その後はアラタに正座させられ1時間以上も説教をされていた。
もう2度と曰くつきの場所には踏み込まないと約束をさせられやっと開放された。
私の中にいる同い年の女の子は落ち着いて来ている。
罪を償うために暫く修行をしたいと言う彼女にアラタは私の眷属にしたらどうかと提案した。
そんな事が私に出来るの?
私はアラタのように修行した訳じゃないし不安だった。
「大丈夫だよ、彼女は協力的だからね」
アラタには2体の眷属が仕えてる。
いつも私たちを護ってくれている。
あんな風に私も出来るだろうか......
「ものは試しだよ、俺も協力する。彼女が望んでるならいいじゃないか」
「うん....じゃあ、よろしく」
眷属にするのに難しい儀式なんてものはないらしく、自然と信頼関係が築けるという。
アラタと眷属は長い付き合いで友人のように信頼しあっているのがわかった。
「一件落着かな」
私と彼女もあんな風になれればいいな......
アラタのセリフを聞きながら羨ましく思っていた。
「二学期が始まったらあいつらに報告するか」
「何を?」
「結婚するってさ」
「ああ、そうだったね」
「なに?忘れてたの?」
「そういう訳じゃ......」
「じゃあなに?どうでもいい?」
意地悪に囁く低い声に返す言葉が見つからなくて、焦った私は変な言い訳をしてしまった。
「け、眷属たちが見てるよ」
「なんだ、そんな事....おい、あっちに行ってろ」
アラタのセリフで眷属たちはどこかに行ってしまった。
「これで邪魔者はいなくなった」
「なんか....可愛そう」
「俺は別に見られてても気にならないけど?呼び戻す?」
「けっこうです......」
余計なお世話かもしれないけどドSの時のアラタってホント俺様で眷属たちも苦労してるんだな....と思った。
作者伽羅
一先ず一件落着です。
怖い要素がほぼ皆無で申し訳ありません。
今後もお時間がありましたらお付き合いくださると嬉しいです。