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中編3
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これは、大学に入ってからできた後輩で、新山佳与という少女から聞いた話。

当時彼女は大阪の高校に通う、普通の高校二年生で、オカルトとも縁がなかったという…。

その日までは。

高校生二年生の夏の話です。

と、彼女は語り出した。

以下は彼女の話を要約したものだ。

高校二年の夏休み、仲の良かった友達が塾なので5時くらいに分かれ、暇を持て余していた私は、帰るのも勿体無くなり家の近くの公園へ向かいました。

物凄く蒸し暑い日でした。

公園では汗だくになりながら子供達が遊んでいたので、鞄をベンチの隣に置き、ベンチに座りそれを眺めていました。

隣のベンチではアロハを着た男の人が昼寝をしていたので、こんな暑いのによく寝るなーなんて思っていたのを覚えています。

30分もすると、子供達はお母さんに連れられて帰って行ったので、私も帰路に着きました。

ご飯を食べて、お風呂に入ろうと思った時に、違和感に気づきました。

「そういえば鞄を見てないな」

心当たりはありましたが、あれから3時間経っていたので、半分諦めつつ公園に戻りました。

公園は私が帰る時の状況と全く同じでした。

鞄はベンチの隣に、そして、隣のベンチではまだ男の人が寝ていました。

その時くらいから、悪寒のようなものを感じていました。

起こすべきか迷っていた時です、急に男の人が起き上がり、こちらを向くと

「こんばんは」

突拍子も無い挨拶だったので口ごもりましたが私もこんばんわと返しました。

「地元の人?」

と言ったのは彼でした。

頷くと、彼はこの公園にまつわる奇妙な話を始めました。

彼の寝ていたまさにそのベンチには、17時30分以降に幽霊が出るというものでしたが初めて聞いた私はゾワゾワする感覚がありました。

「俺も今日昼間に主婦さんに聞いたばっかやねんけどな」

と彼は笑いましたが、その彼の座るベンチの下に青白いものが見えたので、私の口からは思わず悲鳴が漏れていました。

すると、彼は私に

「見えたん?」

と問いかけてきました。

頷くと

「そっか」

と言うと、立ち上がり、ベンチの下に手を突っ込むと、腕を引きずり出しました。

「こいつは俺が持ってくわ」

とだけ言い、そそくさと公園から出て行きましたが、私はその腕の付け根から目が離せませんでした。

腕の付け根のあたりから紐のようなものが伸びていて、その先に人の頭が括られていたのです。

その目と目があった。

いつの間にか、地面にへたり込んでいました。

その話を聴き終え、気になった事を尋ねる

「その男の人とはその後は?」

すると、驚くべき返答が返ってきた。

「それがですね!

牧下さんの知り合いだったんですよ!

それからは牧下さんの妹さんとオカルトとについて色々と教えてもらってました!」

その人と会ってみたいと思ってしまったのだが、生憎ここ1年は連絡がつかないのだとか、それを聞くと、俺の友達にも凄い奴がいる、と自慢したくなったが、思い至る。

「霊感が強い奴に限って、早死にするんだ」

友人の言葉だが、その言葉が重く僕の頭の中をこだました。

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