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短編2
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出会い

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ここまで、友人との奇妙な出来事を語ってきたが、彼との出会いもまた語っておく必要がある。

彼と出会ったのは小学校の時だ。

僕には川端圭也という友人がいた。

彼は怖がりなくせに、怖い話が好きだった。

よく彼から、「俺の友達に凄い奴がおって…」と切り出す、その友人にまつわる怖い話を聞かされていたのだが、ある日、川端はそいつを紹介すると言い出した。

二日後、川端の友人がやってきた。

「どうも、霊能者です」

と自己紹介をする。

かなりインパクトがあった。

見た目は目まで届くほどの前髪、後ろ髪ともみ上げははくせ毛なのかクルンクルンしていた。

川端は横から

「変な奴やけど、悪い奴じゃないで」

と言った。

確かに悪い奴ではなさそうだ。

しかし、何処か近寄りがたい雰囲気を放っている奴だった。

彼と初めて行った心霊スポット。

ある小さな稲荷神社なのだが、その社の隣で首を括った男がいる、と言う噂話が流行っていたのだが、彼はそこへ行こうと僕を半ば無理やり連れて行った。

「ここで、首吊り自殺をした男がおったんよ」

彼がそういうので、知ってるとかえした。

すると、何がおかしいのか、ぷぷぷと笑いをこらえる真似をする。

夜の9時だと彼は囁いた。

耳鳴りがした。

後ずさりする。

ふと、彼が口を開いた。

「僕はさ、お化けが出る時って視線を感じるんよ」

視線?

「寒気がしたら、ゾワ〜って鳥肌が立つしな」

何が言いたいんだろうと思い、顔を上げると…、目の前に顔の穴という穴から内臓やら吐瀉物を垂れ流している《逆さま》の男がぶら下がっていた。

「ひゃっ」と悲鳴が出るが、彼は平然と僕を見ていた。

『まるでそこには何もないように』

そして彼は言う。

「ここで首を吊った人間なんて『居ない』」

続ける

「幽霊なんて所詮は人が生み出す幻だ

臆する必要はない

観察者がいなければ存在すらできないか弱い存在だ」

僕と同い年の子が言う言葉にしては小難しいことを連ねる。

いつの間にか、耳鳴りはなくなり、男も消え失せていた

まるで最初からそこには何もなかったかのように。

呆然と佇んでいる僕に彼は声をかける。

「人の恐怖心の生み出す悪い夢だ」

「僕には何も見えなかった」

と。

自称とはいえ、霊能者を名乗るほどの実力があるのだと感心した。

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