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短編2
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俺の耳

ある日

叔母の友人で占いをする人がいて、その人に俺がヤバイって言われたからと俺のおかんに言ったらしい

おかんも半信半疑だったが俺は会ってみるよう言われて会ってみた

車で一時間ほどかかり、店についた

「君(俺のこと)わかったりする方だね?」

第一声がそれだった

俺には基本的に見えたことはない

けど、音を聞くことがある

俺の部屋は階段を上がった真ん前の部屋

階段を上がる音が聞こえる

兄弟がいないため、3人家族

親父はすでに隣の部屋にいる、母親はリビングにいる

タンッ…タンッ…タンッ…

誰かが上がってくる音が聞こえる

わかるかな?扉の下のわずかな隙間から廊下とかの光が漏れて入ってくる感じ

あれがないんだ、夜の真っ暗の階段を灯りつけずに上がるわけない

タンッ…タンッ…タンッ…

タンッ…タンッ…

タンッ

必ず俺の部屋の前で止まるんだ

何度も続くもんで、俺は意を決して階段を上がりきったときにガチャっとドアを勢いよく開けたことがあるが当然なにもいない

いや、いたのかもしれない

俺には見ることはできない

ただ聞こえるだけ

そう言う話を誰にもしたことはない、けど俺の耳が良いのはおかんはなんとなくわかってたっぽいけど

話を戻そう

占いするおばさんに連れられて山に行った

どうやら、すごく清浄なとこらしい

山肌の岩を菩薩のように切り出した所だった

岩の菩薩の前に立ったときすぐに異変が表れた

「あんた(俺のこと)鼻血…!」

なにもしてないのにいきなり鼻血を流し始めたんだ

流れ始めたって言うべきか

「よくなったみたい」

清浄なとこにきたおかげで、俺についてた不浄が離れ始めたらしい、鼻血はその影響

俺には見えないから着いてるのもみえないんだけど(笑)

「見えずともわかったりできるから、普通の人より憑かれやすい。気を付けられないかもしれないけど、気をつけり。」

そんなことを言われた

夜の階段の足音もこれで聞こえなくなるかな

そんなことを思って家路についた

占い師のおばさんにはお金はとられなかった

タンッ…タンッ…タンッ…

こいつはまだいた

菩薩の前で俺から離れたのはなんだったんだろうか

現在たまに実家に帰り部屋にいても足音は聞こえない

どこかに行ったのだろうか、誰かの家の階段を上ってるのだろうか

タンッ…タンッ…タンッ…ってさ

Concrete
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