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※この話は、家のこととは別の話です。
例の一件(※ある人との出会い-1〜4-)が解決した後の話です。
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彼と付き合い始めたばかりの頃
私が家に帰る時に、それは聞こえた。
「ニャー」
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車内に猫の声がしたのである。
高速道路を走っているので、急には止まれない。
驚いて、後ろの席を見ても、猫は乗っていない。
彼の家に猫は飼っているが、その子達の声ではなかった。
じゃあ、何故…?
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H:「大丈夫だよ。」
私:「!」
H:「あれは、生きてる猫の声じゃない。」
どうやら彼にも聞こえたらしい。
妙なことに、少し安心してしまった。
自分と同じモノを聞いた人がいることに。
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高速道路では、たまに生きてる動物の声ではないモノが聞こえる。
高速道路に動物が飛び出して、轢かれたり、ぶつかって死んでしまうことは珍しくない。
その際に死んでしまった猫が、たまたま通りかかった私達に声が聞こえてしまっただけだった。
たまたま通りかかったとはいえ、誰かに気付いて欲しかったはず。
気付いたよ、ちゃんと上へ逝けますようにと、祈りながら、帰っていった。
作者退会会員
こんばんは。
ちょっとした短編です。
読んで下されば幸いです。
誤字脱字は、ご指摘を
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