これは、自分が寮にいた時に体験したはなし。
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私の寮は少々、特殊で二つの部屋が隣り合わせになっていて、その部屋どうしがドアでつながっている。
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ある夜、寝ようと布団にもぐり、音楽を聴く。
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「コンコン」
隣の部屋からノックが聞こえた。
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「はーい、なに?」
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声をかけるも返事なし。
まぁ、酔っ払って、ノックでもしたのだろう、と納得してまたベッドに入る。
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「コンコン」
またもや、ノックが聞こえてくる。
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「なに?夜中にうるさいぞ」
声をかけるも、また、返事はない。
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ちょっとしつこいが、放っておこう。
そう思い、また、ベッドに入る。
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「コンコン」
三回目だ。
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「しつこいぞ。ドア開けるぞ。」
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「ガチン」
開かない。鍵がかかっているらしい。
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さて、おかしい。用もないのにノックしてくる。そして、鍵もかかっている。
まてよ、こいつ、部屋にいたか?
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そうだった。
こいつは、休みで実家に帰る、とか言ってたはずだ。
じゃあ、隣にいるのは…?
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少々、怖くなり、ベッドに入り、音楽を聴きながら寝ようとする。
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「コンコン、コンコン、コンコン、コンコン、コンコン」
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まるで、何かを急かすような、物凄い勢いでノックがされた。
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怖い怖い怖い怖い
何も考えず、寝る事に集中しようとする。
それを邪魔するように、ノックは続く。
気づかないうちに、私は寝ていた。
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休み明け、隣の住人にその事を話してみる。
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「ごめん、それはあり得ないわ。
そんな返信が、返ってきた。
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「何でさ」
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だってさ。
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おれ、部屋に鍵かけて、実家に持って帰ったもん。誰も入れる訳ないよ。
作者Kosaku.tt
自分の体験した出来事です。