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「ねぇ……、やっぱりあの五人って……」
「何回も言わせるな、偶然が重なってしまった……、そういうことにしよう。」
「だけどやっぱりおかしいよ……」
「俺だって最初は思ったよ……
でも言いはじめたら切りがないだろ……」
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学校の校門に花を添えて手を合わせる人。
この学校の卒業生らしい。
何かを言い合いながら学校をしばらく眺めると、もう一度手を合わせて去っていった。
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二ャ~。
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黒猫をなでながら涼しい風に髪をなびかせる一人の女性。
「気持ちいいね~モモ。」
二ャ~。
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「安心して、もう誰も恨んでないから。」
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以前、この学校で飛び降り自殺があったらしい。
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人見知りで人と関わるのが苦手なアヤカという生徒。
友達がほしくても人とどう会話すればいいかわからず、友達がいない学校生活に寂しさを感じる毎日。
やがて休む日が多くなり、他の生徒より学力に遅れがではじめる。
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他の生徒からバカにされるようになった。
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「どうしてこんなに簡単な問題ができないの?」
「勉強する気ある?」
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アヤカをバカにしはじめたのは成績優秀なナオだった。
答えがわからず解答欄に記入できないでいると、グシャグシャに丸められた紙をぶつけられ、広げると”能無し”と書かれていたり、休み時間に教科書を読んでいると教科書を取りあげて「絵本から始めなさい」と言ったりしてアヤカをバカにした。
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ある朝学校に来て靴箱を見ると、上履きが泥だらけに。
「あんたにはそれが似合う」と言って大笑いしたのは、金持ちのハルカ。
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ハルカは廊下でわざとアヤカにぶつかって汚い!と言ったり、アヤカの弁当を生ゴミと言ったりして見下した。
わざわざアヤカの家まで来て、ゴミ屋敷と言って帰ることもあった。
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そんな毎日が嫌になるアヤカにも、幸せと思える時間があった。
飼っている黒猫のモモと一緒にいれるとき。
学校以外の時間はすべてモモと過ごした。
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モモはアヤカの心の傷を癒してくれた。
寂しさを感じていると顔をすりつけて、アヤカを元気づけてくれた。
アヤカにとってモモはかけがえのない存在だった。
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ハルカとナオからの嫌がらせはさらにエスカレートしていく。
猫の糞でも食べてろと言ったり、アヤカの靴をトイレの便器に捨てたり、アヤカの教科書や鞄をカッターで切り刻んだり、携帯を他の生徒に見せてたり……
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とうとうアヤカは学校に行けなくなってしまった。
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魂が抜けてしまったかのように家に引きこもるように。
一日中灯りもつけずテレビもつけず、部屋の隅で座り込んでるだけの毎日。
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外から声が聞こえる。
アヤカはゆっくりと窓に近づきカーテンを開けた。
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男が三人。何かをしている。
カズヤとヒロキとタカヒロだ。
アヤカに気づいた途端、全員逃げていった。
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三人がいた場所に目を向けると
信じられないものが目に入る。
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モモが殺されていたのだ。
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久し振りに学校に来たアヤカをみた全校生徒、教師は唖然とする。
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黒い長髪、黒いワンピース、黒いストッキング、黒いハイヒール、黒い鞄…………。
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「なんだその格好は!!」
教師の言葉を無視して土足のまま廊下を歩く。
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カツンカツンカツンカツン……
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アヤカは屋上に通じる階段を上っていった。
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いつまでたってもアヤカは降りてこない。
数人の生徒が様子を見に行くことに。
……ガチャン。
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扉を開けるとアヤカが体育座りをして座っていた。
鞄を持って中をあさっている。
生徒たちが近くまでくるが見向きもしない。
生徒たちの中にあの五人もいた。
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「なにしてんのよ!!」
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いつまでも無視しているアヤカに苛立ちハルカがアヤカの手をつかむと……
「きゃあぁあぁぁ!!」
叫ぶハルカの手には真っ赤な血が……。
よく見れば黒い虫がウジャウジャ飛んでいる。
生徒たちも叫んだ。
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アヤカの鞄の中には息絶えたモモが。
アヤカは血まみれのモモをなでつづけている。
モモの真っ赤な血を自分の顔にベタベタ塗りつけると五人を鋭く睨んでニヤリと笑みを浮かべた。
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「殺してあげる…………」
作者退会会員
いよいよ完結!!
どうなりますかね~(笑)