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私には
人には見えないものが見える
すれ違いざまに
夢の中で
何気無い瞬間に
それは見える
見たくて見てるわけではない
実は
昔はもっと酷かった
ある日から見えなくなったが
普通に話していたり
遊んだりしていた
らしい
微かに覚えてるだけですが
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今回は
物心が付いてから
見えるようになったキッカケを
話したいと思います
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あれは
小学2年の頃
昼休みになり
みんなでバスケをしていた
囃し立てたり
笑い合っていた
ボールが飛んでいき
それを取るために走る
グラウンドの端に
それは見え始めた
何もない空間
突然、現れたその姿は
黒い影の様だった
人の形をしたソイツは
木の影にいた
黒い塊の中に
ハッキリと口が見えた
ニヤ〜っと笑ったその口を見た瞬間に
全身に鳥肌がたち
ボールを取って
急いでみんなの元へ
私は走っていった
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それから
ふとした時に
ソイツはいつもいた
10メートルほど先に
こちらを見てニタニタと笑っていた
それは一瞬で消えてしまう
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しかし
少しずつ異変が起きた
はじめは気が付かなかった
その程度の異変
徐々に、ほんの少し
自分に近付いていた
少しずつ
本当に少しずつ
数ミリずつ
3年ほどして気が付いた時には
9メートルほどの距離にいた
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それからほんの少しずつ
確かに近付いてくる
今は2メートルぐらいの先に
ふとした時に現れる
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今はもう
お風呂の中でも
食事の時でも
黒いヤツは
視界の端に現れる
目の前まで来た時
私はどうなるのだろう
作者T-HIRO
未だに、疲れてる時や
落ち込んでいる時には
見えています
今は部屋の片隅にいるように
黒く濁った姿がハッキリとしてきました