※はじめに。これはちょっとグロくてエグい可能性があります。
グロいものやエグいものが苦手な方はスルーしてください。※
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彼はすべてを熟知していた。
どのルートをどの時間帯に利用するのが最善かを。
どんな表情でどんな会話をすれば彼女達や彼らを安心させられるのかを。
そして、どうする事で自分が本当の意味で開放されるのかを________。
1972年5月7日
あてもなく車を走らせていたエドの視界に入った、ふたつの人影。
エドは速度を緩めながら、路肩へと車を寄せた。
20歳前後と思われる二人の女性。
彼女達は、彼の人懐っこい笑顔と気さくな口調にすぐに打ち解け、彼の車へと乗り込んだ。
土地勘のない彼女達は、ヒッチハイクで目的地を目指していたのだ。
楽しく会話をしながら流れる景色にふと目をやると、彼女達は違和感を覚えた。
辺りは街灯もほとんどないような、人気のない場所へと入り込んでいた。
不安に駆られ口数の減っていく彼女達を尻目に、彼は車を停めた。
「ちょ、ちょっと、なんでこんな所に。。。」
アニータが言い終わらないうちに、彼は予め仕事仲間から借りて準備していた銃を突きつけた。
恐怖で体がすくみ、抵抗する気も失せ命乞いをするアニータを、彼はトランクへと押しこむ。
車へ戻ったエドは、メアリーに手錠をかけ、シートベルトで固定した。
「何か嫌な事でもあったのね?何でも話して。相談に乗るわ。」
優しく微笑みながらそう言ったメアリーを見て、彼は手錠くらい外してやろうかと考えた。
―こういう場合はな、相手の女はこっちをなんとか落ち着かせて、隙見て逃げ出した挙句に警察にたれこもうと思ってやがるんだよ―
以前収容されていたアタスカデロ精神病院でレイプ犯が口にしたセリフが頭をよぎる。
思いとどまった彼に、なおも食い下がるメアリー。
彼女を黙らせる為、二重にしたビニール袋を被せようとすると、激しく抵抗してきた。
逆上した彼が気付いた時には、彼女の背中をナイフで刺していた。
悲鳴をあげ、狂ったように命乞いをするメアリーの喉を切り裂くと、ほどなくして彼女は静かになった。
やってしまったものはどうしようもない。
彼はトランクの中のアニータも、何度も何度もナイフで刺した。
動かなくなった二人を自宅アパートまで連れ帰ると、首を切り落としたメアリーの体を執拗に陵辱した。
その時彼は、今まで感じた事のない興奮と快楽を得ていた。
散々弄んで気の済んだ彼は、太ももの肉をそぎ落とし、キャセロールにして食した後に山へ捨てた。
言いようのない一体感と、完全に支配したという満足感が彼を包む。
これをきっかけに、彼は坂道を転がるように落ちていった。
1972年9月14日 アイコ
1973年1月8日 シンディ
1973年2月5日 ロザリンド、アリソン
ヒッチハイクの若い女性が次々と彼の餌食になっていった。
同じように殺害し、陵辱し、解体しては捨てる。
警察の捜査は難航していたが、彼は「捕まるのは時間の問題だろう」と覚悟していた。
だが、まだ捕まるわけにはいかない。
本当にやらねばならない事が、まだ残っているのだから。
―あの女は死ぬしかない。それに俺も死ななければならない。そうでなければ、これから先も、無関係な女達が死ぬ事になるのだから―
エドは決意を固めた。
1973年4月20日、深夜。
目を覚ました彼が「彼女」の寝室へ入ると、
「なんだい、何か話したい事でもあるのかい?」
ベッドに入るところだった「彼女」が彼に向かってそう言った。
「いや、別に。母さんが戻ったのか見に来ただけだよ。おやすみ」
それだけ言って自室に戻り、彼女、そう、母親が眠るのを待った。
早朝。
母が眠りについているのを確認すると、こめかみめがけてハンマーを振り下ろした。
その後でナイフを手に取ると、喉を切り裂いた。
長年エドを苦しめ続けてきた母の声帯を抉り取ると、ディスポーザーに放り込み、スイッチを押す。
だが、機械が詰まり、血塊を吐き出した。
「ちくしょう!死んでまでも俺を罵ってやがるのか!!」
エドは母の首を切断し、首のない母の体に陵辱の限りを尽くした。
ひとしきり陵辱した後、母の首を泣きながら殴り続けるエド。
母の寝室に、彼の叫び声がこだまする。
「俺のことを木偶の坊だと?ふざけるな!」
「俺を地下室に閉じ込めやがって!泣いて頼んだのに!それだけは勘弁してくれって!だけどお前はドアが開かないようにしやがった!真っ暗闇の中で、俺がどれだけ恐ろしかったか知ってるか!」
「お前は!俺を罵る事しかしなかった!俺を見る事もしなかった!俺は。。。俺は!!」
「俺はずっとお前と話がしたかったんだ!だけどお前は俺を罵るだけで、一度として会話をしようとなんてしなかった!
『何か話したい事があるのか』だと?何言ってやがる!
それができていればこんな事にはならなかったんだ!!!」
___________________
少し落ち着いてから、母は同僚と旅行に行ったことにしようと、サリー婦人を呼び出し絞殺。
しかし思い直した彼は、4日後、自ら警察署に電話した。
1973年4月24日、午前5時。
「はい、サンタクルーズ警察。。。」
「俺。。。ザザッ。。ケンパーだ。。ザッ。。ろした。。」
「え?なんですって?」
「。。れはエ。。ザッ。。パーだ!。。じょし。。ザザッ。。した!」
「もしもし?もしもし?」
「いいか!もう一度言うぞ!これはイタズラ電話なんかじゃないんだ!俺が女子大生殺しの犯人だ!!」
作者まりか
だいぶ端折ってグロい部分避けましたが、それでも省けない大事なところが大変グロいしエグいので、閲覧はくれぐれも注意してください(´・ω・`)
端折ったので大丈夫とは思いますが。。。(笑)
引用元 「殺人博物館」「 世界を驚かせた怪事件・猟奇殺人」
冒頭の注意書きにも関わらず最後まで読んでくださった果敢な皆様、感謝です。
またアタシの拙い作品に怖いやコメントを下さる皆様も、いつも感謝しています♡