あるところに青年がいました。
仮にA君としましょう。
A君は失せ物をあっさりと見つけたり天気を当てたり少し不思議なところがある青年でした。
ある日のことです。
A君の友人…仮にW君とします。
W「あのさ、A。うちの大学のサークルで今度飲み会があるんだけど…」
A「?うん」
W「先輩が何かAの事知ってて、連れてこいって言われたんだ… 来てもらえないかな?」
A君はこの先輩が何故自分の事を知っているのかも
何故呼んだのかも何となくわかりました。
A「うーん… 行くのはいいけど、僕人と話すの苦手だし大人数でワイワイ騒ぐのも苦手だから用が済んだらすぐに帰るけどそれでもいい?」
W「あー そう言うだろうと思って先輩にもそんな感じで言ったらそれでもいいって… 悪いな」
申し訳なさそうに頭を掻く友人にA君はにっこりと笑って
A「いいよ。大丈夫だから気にしないで
…ただ少しだけ嫌な予感がするけどね」
後半は独り言のように呟いたのでW君にはよく聞こえていなかったようで少し不思議そうにしていました。
ー 飲み会当日
A君はバイトがあったため後で合流することになっていましたが、店の前で少し戸惑っていました。
A「困ったな…これは予想していたより酷い…」
暫く中に入ることを躊躇していましたが
A「…Wの頼みだし、仕方ない行くか…」
溜息をついて意を決して扉を開けるとW君が気付き席を立ってこちらへ近付いてきます
W「A!!来てくれたのかありがとうな!!」
心底安心したように声をかけてくる友人に苦笑し
A「…一応ね。もう既に帰りたいけど」
と正直な気持ちを述べる。
W「いや、ほんとごめんな。先輩に合わせるから…おい、A?」
W君が話している途中でA君は店の奥へと進み1人の男性の前まで行きました。
男「ん?誰だ?」
A「はじめまして。Yさんですね?僕はWの友人のAと申します」
Y「おぉ!!お前がAか!!よく来てくれた!!早速ここに座って…
A「折角のお誘いでありがたいのですが、あなたに言いたいことがあるのでそれだけ言ったら失礼させていただきます」
Y「え?え?」
突然の即帰る宣言に驚いているYさんに構わずA君は続けます。
A「Yさん、好奇心が強いのと豪胆なのは良いですがよく知りもせずに心霊スポットと呼ばれるところや、そういった『いわく』のあるところへ行くのはオススメ出来ません」
Y「は?ちょt」
A「いいですか?
つぎはないですよ
行くにしてもちゃんと然るべきところへ行ってお祓いなりしてもらってください。いいですね」
A君は一気に捲し立てると呆然としているYさんをはじめサークルメンバーをよそに「警告はしました。では失礼致します」と一礼して店を出ていきました。
Y「び…っくりしたー
あいつ何で何で俺が心霊スポット行ってるって知って… あぁ、Wに聞いたのかぁ」
おいWーとYさんがW君を呼ぶとW君はA君が帰って行った入口を心配そうに見つめていましたがすぐにYさんの元へ向かいます。
Y「なんだよお前Aに俺のこと話したのかよー
なんか不思議くんで心霊とか詳しいらしいからお話したかったのによぉwそれで女の子がこわーいとか言って~」
ほろ酔いで笑いながら話すYさんにW君はおずおずと
W「あの…俺…Aに先輩の事何も言ってないんです…
大学のサークルの先輩が飲み会に来て欲しいって言ってるって説明しただけで…その…先輩の名前も先輩がどんな人かとかも全く…」
W君が言うとYさんは小さな声で「ウソだろ…」と呟いて呆然
W「いや、ホントです…俺もびっくりしてます…」
やり取りを聞いていた周りもシンっとしてしまい妙な空気が流れます。
~~♪~♪
シンっとした瞬間、W君の携帯が鳴りました。
W「ちょっとすみません… Aからメールです…」
Y「…何だって…?」
W「…変な空気にしてしまって申し訳ない。悪意があったわけじゃないので許して欲しい。ただ、先輩はホントにお祓いかなんか行った方がいいって念を押して伝えて欲しい。あと、店に近付くほど具合が悪くなって限界だったから言うだけ言って帰ってしまって印象悪くてWに申し訳ない …だそうです」
Y「俺。明日、お祓い行ってくるわ…」
おわり
作者望月 優雨
A君シリーズです。
シリーズとはいえ今後続くかわかりませんがw
前回は小学生、今回は二十歳くらいです。
思いついたら書いているので時系列がめちゃくちゃですが繋がっているわけではないのでいいかなと…
今回は説明調の部分を削って語り手部分に名前(?)入れてみました。
ちなみに1つ書きあげるのにだいたい1時間くらいしかかけていないので文章構成等がグダグダです(;^ω^)
読んでくださってありがとうございました!!