あの日、そう、1978年の6月頃だったかな。
18歳だったから。
高校を卒業して、やる事もなくて、いつもブラブラしていたんだ。
そんな時だよ、彼に出逢ったのは。
彼の名前はスティーブンと言ってた。
ヒッチハイカーだったんだ。
僕は一目惚れしてさ、彼を誘ったんだ。
酒とマリファナがあるから、うちに来ないかって。
両親は別居中で、二人とも別な場所で暮らしていたし、弟は母さんが連れて行っていて僕はひとりぼっちだったから、誰にも知られる事はなかった。
しばらくは酒とマリファナをやりながら、僕の思い出話をしたりしてた。
僕なんかと友達になってくれるような奴は今までいなかったから、僕の話を聞いてくれる相手に出逢えた事が、とても嬉しかったよ。
でも、しばらくすると彼は帰ると言い出したんだ。
彼の父親の誕生日だからって。
せっかく出逢えたのに。僕は彼を帰したくなかったんだ。
気付いたら、そばに転がってたダンベルで後頭部を殴ってた。
ただ気を失ってるだけみたいだったから、その後絞め殺した。
気が付いたら、また帰ると言い出すに決まってるだろう?
それから彼の服を脱がして、セックスをしたんだ。
そして彼の腹部をナイフで切り開いて、彼の血をすくって体に浴びた。
内蔵を床に敷き詰めて、その上に寝転んで彼の温もりを味わった。興奮したよ。
その後床下に彼を運んで、バラバラにしたんだ。そのままにはしておけないと思ってね。
ずっとそばに置いておきたかったんだけど、腐り始めてしまったから、仕方なく頭以外はゴミ袋に入れて、近くの森に埋めたよ。
ああ、彼が僕の殺した最初の人間さ。
僕はこの事を覚えておきたくなかったんだ。思い出したくなかった。
だから毎日のように酒を飲んだ。だけどどんなに大量に飲んでも、消えてくれないんだ!
そんな時、離婚が成立した父さんが僕を迎えに来てくれた。
父さんは僕を真人間にしようと必死だったよ。
大学に入れたり、軍隊に入れたりね。
だけどどれもダメだった。僕なんかを理解してくれる人間なんていないんだ。
父さんは僕を母さんに引き渡した。諦めたんだろうね。
母さんのとこで暮らしながら、チョコレート工場に行き始めたんだ。
どこに務めても長続きしないから、もう僕にはそこで働くしかなかった。
つまらないよ、仕事なんてね。だけど仕方ないんだ。
その頃の僕の楽しみは、毎日ゲイバーに行く事だった。
だけどどう話しかけたらいいのかわからないんだ。
色々考えた結果、睡眠薬を使う事にした。
アルコールに混ぜれば、効き目が強くなるだろ?
でも最初の行きつけは失敗したんだ。
睡眠薬をアルコールに混ぜて個室に連れ込んでた事が店にバレて、出入り禁止になってしまって。
でも27歳の秋頃かな、別な店で知り合ったスティーブンっていう黒人とは、意気投合してホテルまで行ったんだよ。
朝目が覚めてビックリしたね。
スティーブンが口から血を流して死んでたんだ。
飲み過ぎて記憶がなかったけど、僕が絞め殺したのは間違いないだろうね。
スーツケースを急いで買ってきて、それで彼を祖母の家の地下室に運んだんだ。
それからバラバラにして捨てたよ。
ああ、でも頭だけは、茹でて頭蓋骨を取り出して、漂白して取っておいた。思い出だからね。
その後も、ジェイムスやリチャードって奴を連れ込んで殺した後にセックスして、バラバラにして捨ててたけど、臭いがすると祖母が父さんに相談しちゃってさ。
父さんが地下室を見に来たんだ。
血が大量にこぼれたままだったけど、もうどす黒くなってたから、なんとか誤魔化せたけど、自立して一人暮らしするように言われた。
新しいアパートに引っ越してから、ケイソンをうちに入れたけど、睡眠薬を混ぜたコーヒーを飲ませてセックスしただけで帰したよ。
だけどそれがバレてしまって、警察に捕まったんだ。
父さんが保釈金を払ってくれたから、1週間で出られたけど。
でもまだ係争中だったから、僕のアパートは警察が監視してるかもしれない。
だからまた祖母の家の地下室でアンソニーを殺して解体したんだよ。
彼は頭蓋骨と性器を記念に取っておいた。
その後ケイソンの事で有罪になってしまって、1年間の刑務所外労働を命じられたけど、ミルウォーキー刑務所からチョコレート工場に通えたし、たまにはゲイバーに寄る事もできたから、特に不自由はなかったよ。
そして1990年の3月3日に仮出所して、オックスフォードアパートメント213号室に住み始めたんだ。
2ヶ月後にはレイモンド、更に1ヶ月後にエディを殺した。
だけどその1ヶ月後に、殺そうとしたら逃げられたんだ。失敗した。
彼が警察に駆け込んだら、すぐに捕まってしまうからね、しばらく我慢する事にしたんだ。
でも我慢しきれなかった。
9月に知り合ったアーネストの喉を切って殺してしまったんだよ。
それから浴室に運んで、首から股間までを切り裂いてから、内蔵を愛撫しながらセックスした。
でもそれだけでは満足できなくて、彼の一部をステーキにして食べた。
人間の肉を食べたら、牛や豚なんて食べられないよ。とても美味だ。
特に上腕二頭筋が美味しい。
それからはデービッドやカーティスも食べた。
なんで睡眠薬を使うのかって?
その方が抵抗しないだろ?口ごたえもしないし。
でも、殺して、セックスして、バラバラにして、写真におさめたり記念品を残したりしても、僕のそばにはいてくれないんだ。
だから僕は、脳を改造して絶対に裏切らない、ずっとそばにいてくれる恋人を作ろうと思ったんだ。
睡眠薬で眠らせたエロルの頭蓋骨に電気ドリルで穴を開けて、スポイドで塩酸を流しこんだんだ。
そしたら、ものすごく痛がって目を覚まして騒ぐから、仕方なく殺した。
トニーは喋れなかったんだ。だからセックスはしなかった。
でも気が付いたら死んでた。
コネラクの脳に塩酸を注入したんだけど、なかなか目を覚まさないしビールも買い忘れてたから、買い物に行ったついでにバーで一杯飲んでから帰ってきたら、コネラクが全裸でアパートの前で座り込んでたんだ。
慌てて駆け寄ったら野次馬が集まってきて、警察に通報されてしまって。
なんとか恋人同士の喧嘩って事で帰らせたけど、また逃げられたら困るから、彼も殺したよ。
マットやジェレミア、オリバーにジョセフも殺して食べたけど、トレイシーが逃げ出さなければ、まだ捕まらずに済んだのに。
。。。。。いや、でも、工場もクビになって、家賃も滞納してアパートを追い出される事が決まってたから、もう無理だったのかもしれないね。
作者まりか
シリアルキラー第二弾です。※グロ注意※
流れぶった切ってごめんなさい(*´艸`*)