皆さんこんばんは。ともすけです。
3作目を作る前にちょっとしたお話に付き合ってください。
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私は私立中学の3年生です。学校自体古いのですが、都内に設立したのもあり卒業、入学の繰り返しで言わば皆から愛され続けている学校でもあります。
ただ数百メートル先に山と墓地があるのが不気味なだけで。
そんなある日、レクリエーション【特別授業】があり、先生とスーツを着たおじさん2人と若い女の人が入ってきました。
先生『はい皆!今日のレクリエーションはこの方達が皆にあるプレゼンをしてくれます。』
おじさん『皆さんこんにちは!えー、今日は皆さんに様々な手品を披露しようと思います。楽しんでいただけたら幸いです。』
生徒達『え〜!すご〜い!見たい見たい!』
どうやら今日のレクリエーションは手品らしく、私もテレビ越しでしか見たことなかったのでワクワクしてました。
女の人『私も先生の手品を間近で拝見するの初めてです!すごく楽しみです!』
一緒にいる女の人は手品師ではないようだ。単なる人数合わせか、多分おじさんの知り合いなんだろうなと思いました。そして手品は始まりました。
おじさん『じゃあまずはこの蓋の閉まったビンにコインを移動させます。皆さんよく見ていてくださいね。』
そう言っておじさんは掌に乗せてあるコインを掌ごとビンの底に押し当てた瞬間、【カランカラン】と見事に入るはずのないビンにコインが入った。
この手の手品はさっきも言ったようにテレビ越しでしか見たことなかったので、凄いよりも何故?の疑問の方が強かったのですが他の生徒はおおいに絶賛。おじさんは拍手に包まれ満足気でした。
そして次は王道スプーン曲げ。説に言うユリゲラーです。
おじさん『皆さん、このスプーンを見てください。次はこのスプーンを曲げようと思います。ただ、このスプーンは普通のとは少し違います。普通のスプーンは力任せにやれば多少は曲がりますよね?しかしこのスプーンは私の知っているある骨董店で入手した特殊なスプーンで力がある人でも曲げれません!』
おじさんは自信満々にそう言って連れのスーツおじさん、担任の先生に曲げてみろと言わんばかりに確かめさせている。
スーツおじさん、先生もこれでもか!ってくらい力を込めてたがよほど固いのだろうか、そのスプーンは形を変えなかった。
おじさん『皆さん、今見てお解りの通りこのスプーンはとても頑丈です。これを私は親指と人指し指でなぞるだけで曲げて見せます。』
一同固唾を呑んで見守る。そしておじさんがなぞり始め30秒程経った時、少しずつスプーンが曲がり始めた。
1分経った頃にはスプーンの先が手持ちに付くくらいに曲がっていて、生徒からは大喝采でした。
正直私も凄いな〜って感心してました。
さらにおじさんは同じスプーンを取り出しました。
おじさん『ありがとうございます!皆さん、最後にこのスプーンを私の手から発する念力で折ってみせます。』
生徒達『うそ〜っ⁉︎あれ折れんの⁉︎』
おじさんは今度は一緒に来ていた女の人にスプーンの強度を確かめさせてました。
女の人『ほんとに折れるんですか?ビクともしないですよ?』
その時私は見ました。一瞬、ほんとに一瞬でしたがスプーンを確かめてる女の人の目が白目になりニヤついていたのを。もちろん他の人、生徒達は気付いてないので私も気のせいだと思い込ませましたが。
そして最後の手品が始まり、おじさんは左手にスプーンを持ち、前にかざして右手の掌に力を込めてるのか、瞑想してるみたいに目を閉じて聞こえないくらいの声でブツブツ喋っています。
生徒達はまだかまだかとその結果をワクワクしながら見守ってました。
2〜3分位経ち、おじさんが目を見開き【ハッ‼︎】と叫んだ瞬間、スプーンはパキン‼︎と音を立て折れました……が、
私、生徒からは大きな悲鳴が……
何故なら。。。
shake
スプーンが折れたと同時に一緒にいた女の人の首も折れたからです。ほんとにきれいにポキッていう感じで折れ、女の人はそのまま倒れました。
生徒達は逃げ出す者、恐怖で動けない者もいて私も立ち上がったものの倒れた女の人から目を離せずにいました。
おじさんや先生は慌てふためいて女の人に駆け寄った時に女の人の目がギョロッとおじさんを睨み
shake
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《スプーン……元に戻してよ……》
私はそのまま気絶してしまいました。
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眼が覚めると私は病院にいました。看護師さんの話だと、倒れた際頭を強く打ったみたいで検査も必要だという事で入院しなければならないとの事でした。
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1週間後、検査の結果も問題なく私は退院しあの出来事を思い出し知り合いのお寺に相談に行きました。
(理由は私に何かしら霊が憑いてないか不安があったので)
そしてお寺の住職さんに一連の出来事とあのスプーンの形を絵に描いて見せました。
住職『これは呪縛のスプーンですね。持ち主は恐らくこの禍々しさに魅入られたんでしょうね。』
住職さんのその言葉に私は全てを理解しました。
手品を売りにしていたおじさんは一般的な手品を遥かに超えた手品の披露を考えていた。そこであの骨董店を見つけ、呪いのスプーンに魅入られ購入した。
そして私が見た女の人が白目になりニヤついてたのも、スプーンから出た呪いが取り憑いたんだと確信した。
最後に私は住職に尋ねました。
私『購入したあのおじさんはどうなるんですか?あと私に何か起こったりしますか?』
住職さん『その方は恐らく様々な災いが起こると思います。その前に自身がお祓いしてもらえればいいのですがね。 あなたはまず心配いりませんよ。直接関わった訳ではないので。でも一応軽いお祓いだけしておきましょう。』
住職さんにそう言われ私はお祓いをしてもらい家に帰りました。
後から友達に聞いた話ですが、あの女の人は都内の病院で亡くなったそうです。
作者ともすけ
あまり怖くないちょっとした作品です。
画像等お借りしてすみません。
今後ともよろしくお願いします。