これは僕が小学生の時の話です。
僕の住んでいた町には、やさしいお母さんとして有名な奥さんがいました。
奥さんには娘さんが一人いたそうです。
娘さんは咲という名前だったそうです。人形が好きで、いつもミカちゃん人形を持っていたそうです。
ある日、奥さんと咲ちゃんは、いつも通り公園で遊んでいました。
咲ちゃんはブランコを漕いだ後、滑り台に登りました。
その時、咲ちゃんは滑り台からミカちゃん人形を落としてしまいました。
咲ちゃんはミカちゃん人形を取りに行こうと、
階段に足を掛けました。
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その時、咲ちゃんは足を踏み外し、落ちてしまったそうです。
打ち所が悪かったらしく、そのまま咲ちゃんは亡くなってしまったそうです。
それが原因で、奥さんは離婚しました。
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奥さんの精神は孤独と悲しみで、少しずつ壊れていったそうです。
ある日、奥さんはミカちゃん人形を抱いたまま外に出て、泣きながら町中を走り回りました。
その日から奥さんは完全に狂ってしまったそうです。
奥さんの隣人によると、奥さんはカーテンを開け放ちミカちゃん人形に向かって、
話しかけたり、いきなり大声で泣き始めたりしていたそうです。
ある時からカーテンが閉まるようになりました。
隣人は、立ち直ったのだろうと思ったそうです。
しかし、一向に家から奥さんが出てきません。
おかしく思った隣人が警察に通報しました。
警察が奥さんの部屋に入ると、
痩せ細った奥さんが死んでいたそうです。
胸にミカちゃん人形が刺さって。
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奥さんは咲ちゃんの所に行きたかったのでしょうか?
僕には分かりません。
作者山サン
徘徊の語り部が話しています。よかったら徘徊も読んでみてください。
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