これは、僕が小学生の時の話です。
僕が住んでいた町には、洒落ていると有名な美容院がありました。
中でも、二十代のお兄さん店員は、人気だったそうです。
ある時、お兄さんはいつも通りお客さんの髪を切っていました。
切り終わって、お客さんに髪型を見せると、
お客さんは気に入らなかったのか、立ち去る時にわざとお兄さんにぶつかりました。
ぶつかったことで、お兄さんの手からハサミが落ちて壊れてしまいました。
お兄さんは激怒し、お客さんの胸ぐらを掴み、殴りかかりました。
それはそれは、すごい形相だったそうです。
お兄さんは当然クビになってしまいました。
さらに、お兄さんはハサミを壊されただけで激怒する変人と、噂されました。
そのように噂されたせいか、お兄さんは家に閉じこもるようになりました。
それからしばらくして、お兄さんはやっと外に出るようになったそうです。
しかし、その姿は前向きに次の仕事を見つけるようには見えませんでした。
無理やり修理したハサミを持ち、家の前で自分の髪を永遠と切り続けていたそうです。
目はあらぬ方向に行き、一人言を喋りながら。
その姿はまるでお客さん相手に髪を切るようだったと言います。
ある時から、お兄さんの姿が見えなくなりました。
おかしく思った近隣の人は警察に通報したそうです。
警察がお兄さんの家に入ると、
お兄さんは死んでいました。
shake
口に髪をたくさん詰めて。
お兄さんは、何を思ったか、自分で切った髪を食べたのです。
飲み込む時に吐いた嘔吐物が部屋に散乱していたそうです。
お兄さんは本当に変人だったのでしょうか?
僕にはわかりません。
作者山サン
最近ネタが…