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夏と言えば花火だよな。
8月に入って、週末になるとそこここで、花火大会が開かれている。
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shake
ドン！
shake
shake
ドンドン！――パラパラ……
家への帰り道。音が聞こえる。
今日はこの辺で花火大会があったみたいだ。
どっかから見えるかな。
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ふと見ると、目の前の古い団地の窓辺に、多くの人が顔を出して、ニコニコと笑っている。
へえ、ここら辺から見えるのか。
振り返り、夜空を眺める。
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……。
……。
………。
なかなか上がらないな。
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shake
ド―ン！
音が響いた。
背後で。
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団地の背後の夜空に、見事な大輪の光の花が広がる。
窓辺でこちらを見て微笑む、
大勢の人影の、
背後に。
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綺麗な、
花火が。
| コメント | 怖い |
|---|---|
| 14 | 27 |
怪談師様、すっかり花火大会って感じに……
変な表現ですが、凄くそそられました。
死者が着る白装束は袷が逆とか、草鞋は左右反対だとか、それならば花火に背を向けるのにも意味があるのかなぁ……と１人、妄想しておりました。
理由を書くと悪さがバレるので、お詫びだけ書き置きさせて頂きます。
『スイマセンでしたm(_ _)m』
紫音様、あれ？なんで皆……
ふたば様、それは…切ない花火観客ですね。
サクラ様、ありがとうございます。こっそりってのがいいですね。
こんばんわ初めまして。
いつも綿貫さんのお話こっそりとよんでます^o^
原爆の光を花火だと思って亡くなられた方も居るかも知れない。そういった方々は、あの綺麗な光に包まれて私は散ったんだ、そう思って花火を見に来るんじゃないか。以前友人がそんなこと言っていたのを思い出しました。
でも、自分が死んだ時の花火を見たいと思ってしまう彼らは、自分と散った花火はこんなもんじゃない。そう思ってどれだけ大きな花火を見ても成仏出来ない。
嘘つきな友人の話なので、作り話だろうと思いますが、花火が上がる笛の音が、幽霊に出る効果音みたいに、もしくは爆弾が投下される音に、その時聞こえた様な気がします。
紫音と申します。
ロビンに乗っかって綿貫さまと同じ題名で作品を投稿させて頂きました。
内容は、綿貫さまのような素敵な作品とは雲泥の差で足元にも及びませんが、同じ題名で投稿をした事をお許し下さいませm(_ _)m
あんみつ姫様、むぅ様、ロビン様、まりか様、水蜜様、
夏にしろ、
噺にしろ、
人の数だけとらえ方がありますね。
今年も夏が来ます。
私も皆さんと同様、？だったのですが、コメントを読んでなるほど！と思いました。
大勢の人が無言で空を見上げている不気味な様子が、目に浮かびました。
読解力がとっても低くて「？？？」となってましたが、姫ちゃんのコメントを読んで再度読み直して「ああ！」となりました。
意味が理解できたら、怖さと悲しさがごっちゃになって押し寄せてきました。
読む人によってどんなふうにも解釈できてしまう怖話。さすがです。脳みそください。
ビビッと来ました…ひ…
背後で花火…団地の人？は何を見ていたんですかね(-̀ω-́ ;)
お久しぶりです。
昨日は、広島に原爆が投下された日です。
大勢の人影の背後に見たもの。
大輪の花火とは、何だったのでしょう。
もうじき、お盆。（田舎なので旧暦で行われます。）
そして、終戦記念日と続きます。
短編だからこそ、いろんな読み方ができる「てのひら怪談」
綿貫さんならではの良作だと思いました。
青鷺様、それも文章ならではレトリックですね。なるほど！
ウナギといい、花火といい、夏の話題＼(^o^)／良いですねぇ。マンションから覗いてた人々は、人？でしょうか( ノД`)…てっきり、ドーンと地上に打ち付けられる何かが眺められるのかと((((；゜Д゜)))
作者綿貫一
こんな噺を。