じりりりりりりり
目覚まし時計が鳴った。
「はぁ、夢か・・・」
今日もいつもと変わらぬ毎日、憂鬱で仕方がない。
朝起きたばかりなのに、そんな風に考えてしまうなんて
相当滅入ってしまっている。
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彼の名前は和也。
今年高校一年生になったばかりだが、既に人生に絶望を感じていた。
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入学早々、不良グループにいい腕時計をつけているからといって目をつけられた。
それからというもの、お金をせびられるようになった。
逆らう勇気のなかった和也は言われるままになった。
当然腕時計も既に取られてしまっている。
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気づくと和也は通学路の途中にある、集合住宅の最上階にいた。
何も考えることなく、和也は身を乗り出した。
「さよなら、お父さん、お母さん。」
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人が風を切って落ちていく、その光景は通学途中の学生にとって衝撃的だったであろう。
バーンという音を立て、肉片や脳を飛ばしながら和也は死んだ。
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じりりりりりりり
目覚まし時計が鳴った。
「はぁ、夢か・・・」
和也はベッドからゆっくり起きた。
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入学早々、不良グループに目をつけられた和也は人生に絶望していた。
絶望した和也にとって、もはやこの世に未練などなかった。
和也は通学路の途中にある、集合住宅の最上階から身を乗り出した。
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ひゅー、ばーん!!!
和也の身体は汚らしく辺りに飛び散った。
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じりりりりりりり
目覚まし時計が鳴った。
「はぁ、夢か・・・」
永遠-完-
作者ジンジン