あーくっそ痒い!かゆーい!かゆい!!
そう独り言で叫んでいるのはクラス1の美少女アミである。
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アミは某アイドルグループに所属しており、学校でもちょっとした有名人だった。
そんなアミにも冬になると悩まされることがあった、、、
それは頭のかゆみである。
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「くっそ、いいシャンプー使ってんのにかゆみがとれねぇ、
しかもフケが出るのが止まらねぇ。」
長い髪を手でかき分けると、アミの頭からは白い粉が文字通り粉雪のように舞った。
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あるときからアミはフケを落とすのが一つの楽しみになっていた。
授業中や撮影の時も髪をわざと振り回し、フケを飛ばしていた。
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そんなアミに付いたクラスでのあだ名は【粉吹きばばぁ】だった。
しかし、そんなあだ名がついてもアミの美貌に誰もが目を奪われた。
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ある時、アミは撮影のために減量を言い渡された。
アミは仕方なく減量に励んだが、そのストレスの解消方法は独特であった。
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ずばり、フケを食う!である。
なんだそれは。。。と多くの方が思うだろうが、アミにとってはフケはおやつでもあった。
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「フケってかき集めて味わうと、意外といい香りで、しかもクリーミーなのよ。」
得意げにアイドルグループのメンバーに話す。
「え、きもっ。」
アイドルグループの1人であるアリサは答えた。
アミはどうしてもこの味を知ってもらいたいと考え、アリサを家に呼んだ。
そこで、自家製のフケ入りパンケーキを食べさせようと思ったのだ。
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後日アミは1週間ほど毎日かき集めた大量のフケを使ってパンケーキを作った。
家に招かれたアリサは当然フケが入っているとは知らずにパンケーキを食べた。
「う、うめぇ!なんだこのパンケーキは・・・なんかシャリシャリしてるし、いい香りがする。」
「でしょ、私のパンケーキは特別なのよ!」
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「なにか特別なものでもつかってるの?」
「うーん、秘密のケサランパサランってとこかな(笑)」
「なにそれ・・・(笑)」
アミのフケがいい香りなのは、アミが使ってるシャンプーの匂いがバラの香りだからだろう。
にしてもアリサは大量のフケをおいしそうに平らげてしまった。
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アミがつくったパンケーキのほとんどはフケである。
小麦粉は繋ぎで少量入れたに過ぎないのだ。
つまり、マジでフケケーキなのだ。
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フケの素晴らしさをアミは広めたくなっていた。
しかし、一応アイドルなので我慢していた。
それもアリサの「うまい!」の一言で抑えていた何かが吹き飛んだ。
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アミはブログや、学校でもフケの素晴らしさを公言し始めた。
そのころから世間からも【フケマイスター】と言われるようになっていた。
その美貌からは考えられない行為に世間は注目し、
PTAは問題視したが、メディアは称賛した。
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撮影の時である、アミは大きく口を開けて笑顔でポージングをした。
「あ、あ、アミちゃん、、、その、歯に何か挟まってるよ・・・」
カメラマンがアミに申し訳なさそうに言った。
アミの歯には髪の毛が何本も挟まっていた・・・
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その撮影の時、既に春となっており、フケは出なくなっていた。
アミは痺れを切らしてフケと同じ匂いの髪の毛をしゃぶりつき始めていた。
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夏になるころ、アミの髪の毛は無くなり、頭皮は爪痕で一杯となっていた。
アミはフケに魅せられ、フケのおかげで美貌も仕事も全てを失っていた。
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アミは今悲しみに明け暮れている・・・
なぜなら、もうフケを生産する頭皮も、フケを落としていると実感するための髪も
なくなってしまったから。
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「あ、植毛すればいいんだ!またフケが作れる!たべれりゅん!」
アミは嬉々として未来を見つめた。
たで食う虫-完-
作者ジンジン
ネタ