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「灰島さんと付き合ってるの――」
緩やかなクラシック音楽が流れるカフェの店内。
親友の遥(はるか)から突然、幼馴染の男の名前を告げられた時には、あやうくコントよろしく飲んでいたダージリン・ティーを吹き出すかと思ってしまった。
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だって――、「あの」灰島弘樹(ひろき)なのだ。
弘樹と私は家が隣同士で、まるで家族のように育った。
幼い時分には一緒にお風呂にも入ったし、ひとつの布団に入って昼寝もした。
小学生の頃、二人して子供野球チームに入っていた時など、運動音痴の弘樹よりも私の方がチームのエースとして活躍していたくらいだ。
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中学になって、お互い家の二階に自分の部屋を持たされた。
カーテンと窓を開ければ、すぐそこは弘樹の部屋。
よく夜中にゲーム機目当てに、屋根を伝って弘樹の部屋に侵入したものだ。
その逆に、弘樹が私の部屋に入ってくることはなかったが。
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そんな関係は、彼が寮のある遠くの町の高校へ進学し、実家を離れるまで続いた。
弘樹はそのまま都会の大学へと進み、一人暮らしをするようになった。
私は実家から通える大学に進学し、そこで遥と知り合った。
離れてからも、弘樹とは連絡を取り合い、何かのついでに会って食事をすることもあった。
私にとっては、世話のかかる弟のような存在だったのだが――。
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「嘘でしょう?いつから?なんでまた?」
遥は顔を赤くしてうつむく。
「去年、棗(なつめ)に 幼馴染みだ、って灰島さんを紹介してもらったでしょう?
あの時に、自分の研究を熱く語ってる時の顔が素敵だなって思って――。
もちろん、話はチンプンカンプンだったんだけど、あとで質問したらすごく丁寧に教えてくれて。
同い年なのに、お父さんみたいっていうか、先生みたいっていうか、とにかく良いなって思って。
それから二人だけで会うようになって、半年くらい前から――」
ああ、他人の恋バナは好物でも、相手があの弘樹だと思うと、こうも背筋がかゆくなるものか――。
私はカップで顔を隠しながら、妙な顔の火照りが引くのを待たねばならなかった。
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弘樹は大学の研究室に残り、脳科学についての研究を続けていた。その道では早くも頭角を現している逸材という話だ。
だが、しかし――。
とにかく頭の中は常に研究のことでいっぱいで、他のことには全く頓着がない。
ファッションセンス皆無、不愛想、朴念仁。
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一方の遥は、容姿も性格も、そして家柄も申し分ないお嬢様だ。とんでもない箱入り娘だと聞いている。
実際、高校は女子高で、大学に在籍中も、門限を理由にゼミの飲み会や合コンを断っていた。
そんな二人が付き合っているなんて、まさに青天の霹靂。
悪い冗談にしか聞こえないというものだ。
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「遥が、あんな研究馬鹿とねえ。蓼食う虫も好き好きというか、捨てる神あれば拾う神ありというか......。
まあ、アイツにそんな人間らしいところが残ってたなんて、幼馴染としては嬉しい限りだけど。
なにかあったら私に言うんだよー?だいたいアイツ、ちゃんと恋人らしいことできて――」
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不意にあの日のことが脳裏に浮かび、思わず言葉が途切れた。
同時にしまったと思い、こっそり遥の方を伺う。
遥は、私の態度を気にした様子はなかった。ただ、何事か物思いにふけるように、遠い目をしながら珈琲カップに手を添えている。
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「――今はまだ……、いいの。
あ!それより聞いて、棗。このあいだ灰島さんったらね――」
一瞬見せた寂しげな表情を取り繕うかのように、VR(ヴァーチャルリアリティー)が脳に与える影響が云々と、弘樹からの受け売りをたどたどしくも楽しげに話す遙の姿を見て――。
私は近々、弘樹と会うことを決めた。
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「ああ、遥とは半年ほど前から交際している――」
ざわざわと騒がしい、居酒屋の店内。
カウンターの席で隣に座った弘樹は、徳利から手酌で杯を満たすと、くいと一息で中身を飲み干す。
あいかわらず、顔面の表情筋が死んでいるような男だ。
どれだけ酒を呑もうが、自分の恋人の話をしていようが、表情が変わることがない。
「――アンタさ、遥と一緒にいる時もいつもそんな感じなわけ?」
弘樹はかすかに首を傾(かし)げる。――まったく、この男は。
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「だいたい、二人で会って何してるわけ?会話が弾むとも思えないんだけど……」
「休日はよくドライブに行く。遥が行きたいと行った所に、俺が連れて行くという形だ。
海にも行ったし、山にも行った。
この前行った日光の、美術館やトリックアート館などは、俺としては面白かったな。
遥はオルゴール館を気に入っていた」
意外に二人とも楽しんでいるようだ。
おそらく遥の方が機転を利かせて、弘樹の研究脳でも楽しめる場所をチョイスしているのだろう。
あの子も結構したたかだ。
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「ふうん――。それなら結構だけどね。
でも、人に勧められて何かをするのが嫌いなアンタが、よく付き合うわね」
「そんなことはない。このあいだも、遥の勧めで料理を始めた」
「はあ――!?」
料理?この弘樹が料理?腹が膨れればなんでもいいと、いつも外食やコンビニ飯ですませていたコイツが?
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「信じられない……。
子供の時から、私がいろんなモノを勧めてきたのに、アンタが乗り気だったことなんてほとんどなかったじゃない」
「それはお前の勧め方が悪いんだ。
いつだったかお前がテコンドーにはまった時など、実演すると言って、俺の尻に飛び回転蹴りを何発も叩き込んだだろう。俺はそれから何日か、まともに椅子に座れなかった。そんなんでテコンドーを始めようとは思わない」
私の善意はコイツには伝わっていなかったのか。悲しい。
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酒を呑みながら話す弘樹の顔は、あいかわらず無表情だ。
他人が今の話の内容と、この弘樹の表情を見たら、子供の頃のことを根に持っていると感じるかもしれない。
それでも私には、今、コイツが機嫌が良いことがわかる。長年の付き合いというやつだ。
遥も――。
この顔からコイツの気持ちを読み取れているのだろうか。
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「それに、俺は遥の作る料理が好きだ。和食が得意でな。
自分が家庭的な味が好きだとは、俺自身、気が付いていなかった」
そう言って、弘樹は鯛の煮つけを注文した。
アンタは昔から、家庭的な味が好きだったよ――。
昔、たまに弘樹の家へ、料理のおすそ分けを持って行っていた私は、胸の中でひとりごちる。
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「まあ、仲良くやってるならいいんだけどさ」
小さく深呼吸をする。
「……アンタ、その……、遥とは……、できるの?」
私は手元の皿の上で、煮物の里いもを箸で割りながら、なんとかその言葉を吐き出す。
沈黙――。
横目でちらりと弘樹の顔を伺うと、ほんのわずかに眉を曇らせているのが見えた。
やはり――と、私は思った。
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私と弘樹が中学3年の、ある夏の夜だった。
私は弘樹の部屋で、参考書を睨んだままうなっていた。
弘樹は既に模試で希望校のA判定をもらっており、出来の悪い私によく勉強を教えてくれた。
癪(しゃく)ではあるが、下手な教師よりも教え方が上手いこともあって、この時期、彼の部屋によく入り浸っていた。
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風のない、蒸し暑い日だった。
それでも冷房嫌いの弘樹は窓を開けて風を入れるだけで過ごしていたので、私は出来るだけ薄着――Tシャツにショートパンツという格好で、彼の部屋を訪れていた。
家には、私と弘樹だけだった。
こう言うと、思春期の女子にしてはずいぶんと不用心な感じだが、なにしろ相手はあの弘樹だったので、私は完全に油断をしていた。
弘樹の中で、いつしか私が『ただの幼馴染』から、『気になる女子』に変わっていたことにも気づかずにいた。
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隣に座っていた弘樹が、いつもの調子のまま、不意に「棗(なつめ)、ごめん――」とつぶやいたので、なんのことかと振り向いた瞬間、――抱きしめられた。
混乱の中、腕の中で身体を硬直させていると、弘樹の激しい鼓動と呼吸が全身に伝わってきた。
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いつもの私だったら、その場で弘樹を絞め落としていたかもしれない。
だが、その時の私はなぜかそうしなかった。
恥ずかしさと、怒りと、うれしさと、さびしさと。
そういった数々の感情が私の中で渦巻いて、身体から力が抜けていた。
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部屋の明かりが消され、私は弘樹の部屋のベッドの上で、いつしか一糸まとわぬ姿になっていた。
弘樹も同じだった。
お互い初めてのことに、ぎこちなく手探りのまま求めあい――。
ついにその時が来た。
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弘樹のものが、私の内股に当たる。
目を固くつぶり、覚悟を決めた、その瞬間だった。
私の顔にポタリと水滴が落ちた。
――なんだろう?
そう思い、ゆっくりと目を開ける。
私の身体の上で、弘樹は静かに泣いていた。
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彼のものは小さくなっていた。
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弘樹の家には母親がいなかった。
正確には、彼が幼稚園の時に、両親が離婚したのだった。
原因は母親の浮気だった。
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彼の父親も研究者で、昔から家を空けることが多かった。
ある日のこと、幼い弘樹は母親と愛人の情事の場を目撃する。
子供を近所の親類に預け、その留守中に――と思っていた母親は、体調不良でひとり家へ帰ってきた息子に対し、今見たことを固く口止めした。父親には話すな、と。
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「物事を理解していない子供に対して、そんな口止めはなんの役にも立たんさ――」
事は幼い弘樹の口から、あっさりと父親に伝わり、明らかになった。
結果、彼の家庭は壊れた。
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「忘れていたその時のことを、あの日――、お前との、その……、行為の途中で急にはっきりと思い出した。
その時からだ。俺が女性に対して不能になったのは――」
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「……遥は、アンタのことが本当に好きみたい」
「……俺も、遥のことを真剣に考えている。その手のクリニックにも通っている」
弘樹は頭の付いた鯛の煮つけを箸でつつきながら応える。
弘樹も遥も、そして私ももう大人だ。いくら幼馴染でも、これ以上深い入りをすることはできない。
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「遥の求めるものを与えたい。ずっと遥とともに歩んでいきたい。
そのためなら、俺はなんだってする――」
独りごとのようにつぶやいた。
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遥が行方不明になった。
その連絡を警察から受けたのは、弘樹と会ってから一か月ほどした頃だった。
連絡もなしに家へ帰らない娘のことを心配し、両親が届けを出した。
当初、「友人か、交際相手のところにでも行っているのではないですか?」と真面目に話を聞いていなかった警察も、翌日、翌々日と消息のつかめない若い女性に対し、本腰を入れて捜査を始めたとのこと。
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遥の職場、私を含めた友人知人、そして交際相手である弘樹のところにも、刑事が捜査に訪れた。
弘樹は恋人が失踪したにも関わらず、相変わらずの無表情であったことから、大層疑いを持たれたそうだが、結果として釈放された。
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私は気が気でなく、夜も眠れない日が続いた。
悪いと思いながらも、弘樹の顔を見ると彼のことをなじったりもした。「どうして遥を守ってやれなかったのか」と。
その時、言われるにまかせていた弘樹は、最後に「遥はきっと無事に戻ってくる」と、やけにはっきりと口にした。
そう言った彼の眼の下には、深いくまが刻まれていた。
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結果から言うと、遥は二週間後に見つかった。
無事に、とはいかないものだったが。
見つかった場所は弘樹の勤める大学の地下、普段人の出入りのない、空き部屋の中だった。
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その日、弘樹の研究室に出入りする大学生二人が、教授の言いつけで荷物を地下へと運んでいた。
彼らはその時、耳にする。
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『……っ、……、………っ』
ギィ……、ギィ……、ギィ……
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くごもったうめき声と、なにかがきしむような音。
気味が悪いとも思ったが、そこは一人でなかったことでなんとか踏みとどまり、音のする部屋の前までやってきた。
部屋には、鍵がかかっていなかった。
ドアを開け、覗きこんだ彼らが見た光景。
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『……っ、……、………っ』
簡素なベッドに手足を括りつけられ、目のところにはゴーグル、口には猿ぐつわをかまされた、遥の姿。
ギィ……、ギィ……、ギィ……
そのベッドの脇、天井の配管に結ばれた綱に首をかけたまま、宙ぶらりんに揺れる、弘樹の死体だった。
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長く拘束されていたことと、弘樹の死を告げられたことによって、遥は精神と肉体に深いダメージを負って入院することとなった。
面会謝絶の期間が続いた。私の方でも、こんな形で幼馴染を失ったことで、悲しみと怒りと喪失感に打ちのめされたいた。
ひと月も経ったころ、遥の方から連絡があり、私は彼女の病室を訪れた。
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目が落ちくぼみ、頬がこけ、別人のようになった遥がベッドの上で上半身を起こして私を出迎えた。
そこで、私たちは久々に話をした。遥の身に起こったことに触れないよう、そして『弘樹』という名前を出さないよう気を使って話す私たちは、大層たどたどしい口ぶりになっていたことだろう。
許された面会時間が短かったことが救いだと感じてしまった。
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辞去する私に、背後から低い遥の声が響いた。
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「――ねえ、棗?この部屋、赤ん坊の声がするの。聞こえない?ねえ本当に聞こえない?」
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それから十日後、再び遥から呼び出しがあり、病院を訪れた私は驚愕した。
親友は、浮かれていた。
病室のベッドの上で、まるで酒でも呑んでいるかのように、饒舌に語り始めた。
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「ねえ、聞いて――?棗。
私ね、どうして灰島さんが私にあんなことをしたのか、ずっと不思議だったの。
だって彼はずっと優しかったし、何より私のことを大事に考えてくれた。ずっと一緒にいたいと言ってくれた。
だから――あんなことになったのが、納得いかなかった。
でもね、ようやくわかったの。
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あの日――、彼は私を大学の地下にある、あの部屋へ誘ったわ。『大事な話がある』って。
ガランとした部屋には、中央に簡素なベッド、壁際に置かれた机の上にはパソコンが一台置かれていたわ。
そして、ベッドに横たわり、ゴーグルを付けるよう言ったの。
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『――遥。これから、そのゴーグルに映像を流す。長い時間――おそらく何日もかかることになる。その間、身の回りの世話は俺がする。俺が片時も離れずそばにいる。全て任せてもらっていい。
これまでに君に与えられなかったことを、やっと君にあげることができる。
俺たちはずっと一緒にいられる。
さあ、力を抜いて楽にして――』
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ゴーグルを付けた私の視界に、無数の光と色と図形が現れたわ。
それはまるで、極彩色の万華鏡、胎児の見る夢、狂人の描く曼荼羅図のよう――。
全てが重なりあい、伸縮し、むさぼりあって消失しまた生まれる。
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私ね、その映像を見せられたとき、初め、とても痛かったの。
圧倒的な質量を持った何かが、私の網膜を突き破って、脳内に侵入してくる。
痛くて痛くて、私思わず、止めてって泣きながら叫んだわ。
そうしたら、灰島さんが私の身体を力強く抱きしめてくれたの。
痛かったけど、つらかったけど、あの人のぬくもりが感じられて、少しだけ身体の力が抜けたわ。
そうしたら、痛みは少しずつだけど和らいだ。
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その映像には強弱っていうか、波みたいなものがあって、私の中に深く入ってきたと思うと、今度は私の中身を引きずり出すかのように遠ざかっていくの。
そして、繰り返す。
強く――、弱く――。
深く――、浅く――。
早く――、ゆっくりと――。
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いつしかその刺激に、私は夢中になっていた。
私の身体が――いえ、脳が悦びに震えていたわ。
あの人のぬくもりを感じた。
私はもっと刺激が欲しくなった。もっと、もっとと。
口に出すのは恥ずかしかったけど、思い切ってお願いしたら、彼はそれに応えてくれた。
求めれば求めるだけ、彼は応えてくれた。
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――どれくらい、時間が経ったのか、私にはわからなかった。
だって、その部屋の中では――、ううん、私の視界には昼も夜もなかったのだから。
自分が眠っていたのかも、よくわからないわ。だって目に見えるものが常に夢のようなら、睡眠と覚醒の区別なんて、つくわけがないじゃない?
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私は熱病に冒されたように彼を求め、ずっとずっと昇りつめていった。
そして、最後――。
何かが私に中に押し寄せてきた。
脳が焼き切れるくらいの快感とともに、まばゆいばかりの光で視界が真っ白になって――」
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彼女が見たのは、彼女のゴーグルを外した、慌てふためいた様子の大学生の顔。
そして、天井からぶら下がっている、恋人の姿だった。
夢から醒めた彼女は、奈落へと突き落とされた。
今、目の前の彼女は笑っている。
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「ねえ、棗。
この間お見舞いに来てくれた時に、私、『この病室、赤ん坊の声がする』って言ったよね?
あの日からね、私の頭の中で、ずっと声がしていたの。赤ん坊の声。
はじめ、声だけだったそれは、頭の中でゆっくりと形を形を取っていたの。
ドライアイスが揮発する映像を、逆回転をさせたみたいに、モヤモヤした煙が凝り固まって、裸の赤ん坊になった。
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――消えないの。
いつもいるの。私の頭の中に。
誰なんだろうって思った。何なんだろうって思ってた。
でもね――。
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その赤ん坊は、この十日でみるみる成長して、そう――。
灰島さんになったの。
彼は今、私の頭の中にいる。
今も話しかけてくれている。
これがあの人が私にくれたこと。
ずっと一緒にいてくれるって言った、その意味。
ねえ、棗――」
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――私、今、幸せだわ。
微笑む彼女の瞳から、真っ赤な血の涙がこぼれた。
作者綿貫一
こんな噺を。