本当に久し振りの投稿です。
昔仲良くしてくださった方々はもうやめてしまったのかな……。
なので初めまして。ほたてです。
友人から怖い話を聞いて、ふとこのサイトを思い出してやって来ました(パスワード忘れちゃってて大変だった)。
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消防士1年目の友人から聞いた話です。
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友人の通っていた大阪府立消防学校、食中毒でしばらく閉鎖されていたのは、ニュースにもなっていたので皆さんご存じだと思います。なので友人たち校舎に入ってしまった人はいわば軟禁状態。
ちなみに友人は感染者ではなかったので『元気グループ』としてまとまって、広間で雑魚寝をして夜通しお喋りして過ごそうと、枕と掛け布団だけもって集まっていました。
そこに乱入してきた教官二人。
教官①『おぅ、お前ら、小学校の修学旅行みたいになっとるやんけ』
教官②『ここひどいっすね』
そして友人の布団に何故か入ってくる教官①。
教官①『お前ら、怖い話しようぜ』
友人『いや布団からは出ていってくださいよ!』
友人を無視して教官は語り出しました。
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山奥のボヤを消した帰り道。時刻は深夜。
消防車には若かりし頃の教官(A)と、上司のBが乗っていた。
途中、白いコートを着た若い女性が山道を歩いているのを見つけた。
A『あれ、こんな時間に誰や』
B『幽霊ちゃうんか?』
A『やめてくださいよー!』
近付いて見ても、完全に人間な気がする。公務員として、さすがに見て見ぬふりはダメだろうと思って声をかけた。
A『あの、どうされました?』
女性『え?あ、ちょっと用事が』
A『夜遅いし危ないっすよ。近くまでなら送りましょうか?』
女性『いいんですか?ありがとうございます』
女性はとても綺麗な人で、20代と思われた。車に乗せてあげて、女性の案内で森の奥深くに走っていった。
その間、他愛のない世間話をしながら15分程たった頃『ここで結構です』と女性が言った。
周りを見回して、AとBはギョッとした。
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お墓だった。
A『あの、本当にここでいいんすか』
B『もう少し近くまで送るで』
でも女性は首を振り、
女性『いえ、迎えがくるので。ありがとうございました』
と笑顔で頭を下げて降りてしまった。
墓地の奥へ歩いていってとうとう白いコートが闇に溶けていくのを、AとBはポカンと口を開けて見送った。
A『なんやったんすかね』
B『まぁでもこの先に住宅もあるし、どう見ても人間やったし……』
違和感を覚えながらも、AとBは署へ帰った。
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仮眠から目を覚ましたAさんは、昨日の深夜の時間帯に携帯に数件の不在着信が来ているのに気が付いた。知らない番号は鳴らない設定にしていたので、誰かもわからない。
困っていると、携帯が鳴った。警察署からだった。
A『はい』
『すみません。○警察です』
A『はぁ……?』
『確認したいことがあるので、署まで来ていただくことは出来ますか?』
A『???』
訳がわからないまま、当務を終えてから警察署へと向かった。
待っていたのは顔見知りの警官だった。
警官『あ!Aさんじゃないですか!』
A『俺なにもやってへんで』
警官『違いますよ!ちょっと確認したいことがあるだけです』
Aと警官は応接室へと入った。
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中には警官の上司らしき人が袋に入った携帯を手に待っていた。
上司『わざわざすみません。実は昨日、○山で女性の首吊り自殺があって、その事で確認したいことがありました。これが被害者の写真です』
見せられた写真は、昨日の白いコートの女性だった。
驚いたAは昨日の事を事細かく説明した。
警官『なるほど。じゃぁ合点がいきました』
A『何が?』
上司『いや、この携帯の発信履歴なんですけどね、
死亡推定時刻前の3時頃に最後に掛けていたのがあなたの携帯だったんですよ。
なるほど、昨日会っていたんですね。
死ぬ前に最後に会っていたあなたに電話してみたと。なるほどなるほど』
Aは震えが止まらなかった。
だって、昨日、
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shake
『俺、携帯番号、交換してないです』
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教官①『……どや』
教官②『①さんの話、怖いやろ』
生徒たち『ガクガクブルブル』
教官①『お前ら、早く寝ろ。おやすみ』
友人『だから布団から出ていってくださいよ!』
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翌朝、友人は教官①に呼び出されました。
教官①『おい』
友人『はい』
教官①『昨日あれからな、夜中の3時頃にな、知らん番号から3回くらい不在着信あってん』
友人『……やばくないすか?』
教官①『お前、あとで教官室こい。リダイアルさしてやる』
友人『いやっすよ!!』
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以上が、友人から聞いた話です。
分かりにくかったらすみません。
作者ほたて
ほたてと申します。幽霊は出てこないけど、ほんのり不気味な話です。