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あたしはみんなからは千里(チサト)と呼ばれているが、本当の名前は違う。あたしの本当の名前は千里(センリ)。親からはそう呼ばれていた。でも、センリでは女の子らしくないから、戸籍にはチサトで登録したらしい。
あたしは子供の頃から的当てや射的が上手かった。別に両親が射撃の選手とかだったわけじゃない。トンビが鷹を生むというやつだろうか。
そういうわけで、あたしは射撃部のある中学に入学し当然射撃部に入った。射撃部でのあたしの成績はすごいものだった。1度も的に当たらなかったことがない。まさに百発百中だった。最初のうちはみんなすごいと言って褒めてくれたし、先輩からも可愛がられた。でも、あまりにうますぎたせいか、誰が流したのか私達家族がどこかの国のスパイなんじゃないかという噂が流れ始めた。噂とは怖いもので私の親も周りから変な目で見られたようだ。
そして私は中学卒業とともに、勘当された。その時あたしは、何よりも親に捨てられたことが悲しかった。その時から、あたしの居場所はなくなってしまった。
家を勘当され、行くあてもなく、どうすればいいか途方にくれている時に、あたしはある男に出会った。彼はあたしに、世界を変えたくはないかと言った。あたしは直感的に、この人のところにはあたしの居場所があると思った。
そして今、新しいリーダーのもとに、革命が始まろうとしている。
「あたしは、居場所を守るために闘う。そのためだったら、怖くない。」
作者白真 玲珠
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