彼は、家に帰ると溜息をついた。
ここ最近、仕事に没頭しており、息抜きができていない。
ストレスのせいか、白髪が増えてきた。
右手に持ったビニール袋から、コンビニ弁当を取り出す。
一応、健康のことも考えてサラダも買った。
ストレス、と言えば「あなたといるとストレス」と言われ、彼女と別れたのを思い出した。
その後すぐにいってしまった。
彼は、悪い思い出を振り払うと、サラダの中に入ったキュウリを切ることにした。
台所に行くと、しばらく放って置いたせいか、包丁がカビやら汚れやらで赤くなっていて、
キュウリを切れるような状態ではなかった。
包丁は買い替えることにした。
仕方ない。我慢して食べるとしよう。
スマホを充電しながらネットサーフィンをするか。
そう思いタコ足配線を持ってくると充電器を差し込んだ。
タコ足配線といえば、昔からの友達とタコ足配線でスマホを充電していたら、
口論になってしまった。あいつとはそれっきりだな。
ふと、配線の真ん中あたりを見ると、コードが盛大に飛び出し、全て切れてしまっている。
これも買い替えることにした。
物を買い替えなくてはならないのもストレスの原因だ。
そういえば、風水によって物の丈夫さが決まるという話を聞いたことがある。
そうだ、家を買い替えよう。
shake
ちょうど臭いも限界がきたところだ。
引っ越したら、息抜きをしよう。
楽しい、楽しい、息抜きを...
彼は、そこを後にした。
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それから数日後
警視庁ではこんな会話があった。
「資料まとまったか。」
「はい、まとまっております。」
「仏さんの数は?」
「動物などが数体、人が二人です。また、その二人は加害者の恋人と友人だったと思われます。」
「そんなにか。凶器は?」
「ハサミや、タコ足配線などです。」
「分かった。捜査を引き続き進めていこう。」
作者山サン
あまり期待しない方がいい作品です。