其の一
「ママ~、なにしてるのぉ~」
「ん?これはね、てるてる坊主をつくってるの」
「てるてる坊主ぅ?」
「てるてる坊主っていうのはね、雨が降らないように、お空の神様にお願いする、おまじないなのよ」
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「おまじない?」
「そう。出来上がったらね、軒下に吊るしてね、『明日の運動会は晴れますように』ってお願いするの」
「へぇ~」
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「あら?どこに行くの?」
「ワタシもおまじないをしに行くの」
「どこに?」
「家の裏庭だよ」
「裏庭?どうして?」
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「おじいちゃんが裏庭の木で、てるてる坊主になってるからよ」
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其の二
「あれ?ここにあったぬいぐるみは?」
「さっき、その辺のゴミと一緒に、トラックであっちに運んで行きましたよ」
「あっちって、どっち?」
「裏山の焼却炉ですけど…」
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「え!?」
「どうしたんすか?そんなにビックリして」
「オレ 、さっき言い間違ったけど、あれは『ぬいぐるみ』じゃなくて『着ぐるみ』だぞ!」
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「え!?」
「バイトが『寒いんで、これ着たまんま、休憩します』って…」
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作者とっつ
対話形式の縛りで、過去に創作した2篇の詰め合わせです。
過去に投稿した「ダイアローグ」もそのときに書いたものです。
今回も軽い気持ちで読んでいただいて結構です。
可能なら、皆さんの「ダイアローグ縛り」を読んでみたいです。
アイデアが浮かだ方、是非!