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中編3
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写真

 

 これは、心霊写真である。

 そういって、友人に見せることができた唯一の心霊写真の在処はついぞ分からなくなって久しい。

 

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 私の子供部屋の棚の奥底の一番下の引き出しの中に、保管しておいたはずだった。

 横開き、約40枚程度の写真を保管することができるが、余りに写真が少なかったため、半分程度しか入れてなかったアレである。

 

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 その心霊写真の内容は、小学校六年生の修学旅行のお店の中であった。

 左側に、私の上半身アップが映っており、残念なことに眼を瞑っていた。

 若干口元が笑っているため、楽しかったのだろうか。目を開けろといいたい。

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 その丁度、右側に古い木製の商品棚があり、奥にも棚がある。

 その商品棚の隙間に、子供の顔が映っていた。

 

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 とても小さい顔だ。

 腫れぼったい感じの目で、私と同じように目を閉じている。

 人の顔が入るスペースではない。そもそも身体がない。

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 初めて、私とツーショットの心霊写真を発見し、割と感動を覚えた。

 無論、恐怖がなかったといえば嘘になるが、この写真処分しないといけない。

 などという、心持にはなれなかった。

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 数人の友人にも見てもらい、

 「あ、これガチのやつだ」という認識を頂き、私の中で、ホラー用品お宝リストの一つとして殿堂入り。

 もうどこにもないのが、残念無念である。

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 さて、ネットの世界には、様々な写真がある。

 本物より怖い作り物であったり、

 実際、本物だったりする。

 ホラーな写真・映像は多い。

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 でも、ただ、画面越しで見るのではなく、実際に体験するという衝撃に勝るものはない。そのように感じた出来事があった。

 

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 その日は、友人宅の庭で飼い猫と戯れたり、追いかけっこなどをして、泥まみれに遊んでいた。

 友人の姉が、ポロライドカメラを構えて、遊ぶ風景を撮っており、賑やかでどこか微笑ましいひと時であったように思う。

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「写真撮るから、こっち向いてー」

 しかし、私は、写真に写るのがなんとなく嫌いな年ごろであったため、映らないように、逃げていた。

 一方、友人は、親指を立ててグッドサインのポーズをとって、にっこりと笑顔を浮かべる献身っぷりである。

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 「はい、チーズ」

 と、友人の姉がお決まりのセリフを言って、写真は撮られた。

 その写真は、すぐに吐き出されるが、印画紙に画が映るには、しばし時間が掛かる。

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 私と友人は構わずに、遊びを続行した。

 友人の姉は何枚かの写真を適当にパシャパシャ撮り続け、暫くたってから、

 

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 「うわっ!何これ気持ち悪っ!」

 突然、大声で叫んだ。

 猫がびっくりして逃げていく。

 

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 逆に、私たちは、「急にどうかしたん?」と駆け寄っていくと、一枚の写真を持って、わりと、顔色を蒼白にさせている友人の姉が居た。

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「この写真がおかしい」

 そういって、写真を見せられた。

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 友人宅の庭で、グットサインをして

 良い笑顔を浮かべている友人。

 その隣、

 物凄く沈んだ顔で、

 膝を抱えて座っている友人。

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 二人が、写真の中に映っていた。

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 「誰これ、あんたが二人おる。ありえんやろ!」

 「な、なんこれ!怖っ!」

 全員が全員、かなり動揺していたと思う。

 実際、私は、言葉を発することができていなかった。

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 この写真を残すべきではない。

 全員の頭にその考えが占めていたことだろう。

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 「今日撮った写真は全部燃やそう」

 友人の姉が、すぐ様そう決断して、写真は燃やされることになった。 

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 その後、誰かに不幸な出来事は起こることもなく、現在に至る。

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 ただ、友人は、写真がトラウマになってしまった。

 

Concrete
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トリハダ立ちました((((;´・ω・`)))

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